現代がチェンナイ近郊の工場拡張へ

(インド)

チェンナイ発

2018年11月20日

現代自動車のインド法人、現代モーターインディア(HMIL)のY・K・クー社長は11月12日、タミル・ナドゥ(TN)州のパラニスワミ首相と面会し、チェンナイ近郊にある工場の拡張計画を伝えた。TN州政府のプレスリリースによると、2019年1月にチェンナイ市内で開催される投資誘致イベント「グローバル・インベスターズ・ミート」で覚書(MOU)が交換される予定で、投資総額は10億ドル、年間10万台の生産能力の増大が見込まれる(「タイムズ・オブ・インディア」紙11月13日)。また、この拡張により、新モデル車と電気自動車(EV)の組み立て生産が可能となる見通しだ。

インド自動車工業会(SIAM)によると、現代は2017年度に国内で約54万台を販売、乗用車市場で首位のマルチ・スズキに次ぐ2番手となっている。クー社長は、拡張する工場において「第1段階として、EVを含む10モデル以上を完全ノックダウン(CKD)で生産する」としている(「ザ・ヒンドゥー」紙11月13日)。なお、当地では8月、現代が2019年下半期にスポーツ用多目的車(SUV)「コナ」のEVを発売すると報道されている。

インド南部では、大手四輪車・二輪車メーカーの設備投資が活発化している。現代のほかに、フランス大手完成車メーカーのグループPSAもTN州で工場建設などを計画している。また、アンドラ・プラデシュ州において、韓国の起亜が年産30万台規模の工場を建設、二輪最大手のヒーローモトコープも最大で年間180万台の生産が可能となる工場を建設している。

(坂根良平)

(インド)

ビジネス短信 19abc6d5902a83a4