遼寧省の1~9月GRP成長率は前年同期比5.4%

(中国)

大連発

2018年11月15日

遼寧省統計局の11月5日の発表によると、同省の2018年1~9月の域内総生産(GRP)は、前年同期比5.4%増の1兆8,012億4,000万元(約28兆8,198億円、1元=約16円)だった(表参照)。上半期と比べ成長率が0.2ポイント下落したが、前年同期より2.9ポイント上昇した。統計局は1~9月の経済状況について、「『全体的に安定、安定の中で前進(総体平穏、穏中有進)』の状態を維持している」とした。

表 遼寧省の2018年1~9月の主要経済指標

産業別では、第一次産業が3.5%増(上半期より0.3ポイント上昇)、第二次産業が7.3%増(0.9ポイント下落)、第三次産業が4.2%増(横ばい)となった。一定規模以上の企業(注)の工業付加価値額は9.7%増で、上半期より0.6ポイント下落したが、1~9月の中国全体の伸び率を3.3ポイント上回った。産業別では、設備製造業(10.9%増)、石油化学工業(13.8%増)が2桁増となったほか、冶金(やきん)工業(6.0%増)、農産品加工業(4.9%増)も増加した。

固定資産投資総額は前年同期比4.8%増となり、上半期より7.3ポイント下落した。統計局は、下落の要因として不動産開発投資の減速を挙げた。産業別では、第一次産業への投資が2.0%減、第二次産業への投資が13.9%増、第三次産業への投資が0.4%増となった。

社会消費品小売総額は、前年同期比7.4%増の1兆460億4,000万元となった。また、都市部住民1人当たり可処分所得額も6.8%増の2万8,052元と、消費と所得の伸びは堅調だった。

貿易総額は前年同期比9.0%増の5,491億4,000万元で、上半期より3.0ポイント拡大した。うち輸出額は5.3%増の2,378億7,000万元、輸入額は12.0%増の3,112億7,000万元となった。輸出品目別では、電気機械器具(16.5%増の1,037億6,000万元)、鋼材(7.4%増の300億5,000万元)、船舶(17.6%増の114億6,000万元)の伸び率が高かった。輸出相手国・地域別では、日本、EU、米国向けの輸出がそれぞれ8.0%増の478億3,000万元、17.3%増の347億5,000万元、7.4%増の285億1,000万元となった。対内直接投資額(実行ベース)も、10.9%増の40億9,000万ドルと増加した。

(注)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(李穎)

(中国)

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