米中間選挙、政治的分裂を反映との報道

(オーストラリア、米国)

シドニー発

2018年11月14日

11月6日の米国の中間選挙結果に関し、オーストラリアではトランプ政権への影響などがさまざま報道されている。

「オーストラリアン」紙(11月7日)は、今回の選挙結果では「トランプ政権への評価が分かれ、米国は上院・下院のねじれで分断されたかたちとなった」と報道した。他方、「トランプ大統領と共和党は、上院では多数を維持できた」とし、「同政権がこれまで取り組んできた大型減税、規制緩和措置が後退するリスクは少ない」と伝えた。

翌11月8日のオーストラリア各紙は、ジェフ・セッションズ米司法長官の解任を一斉に報じた。同日付の「オーストラリアン」紙は、「今回の中間選挙の結果は、米国の政治的な分裂を反映している」と分析した。下院議長に復帰する見通しの民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務の超党派的姿勢についても取り上げる一方、「今後2年間、民主党はトランプ政権が推進する追加減税、国境の壁の構築、オバマケアの廃止などに反対を続けるだろう」との見方を示した。

オーストラリアと米国の関係について、「アデレード・インディペンデント」紙は中間選挙前の11月5日付の記事で「難民問題をめぐり、トランプ政権発足の直後は非常に悪化していたが、その後は良い関係を構築できている」と報じ、トランプ大統領が2018年6月に、オーストラリアとアルゼンチンに対して鉄鋼とアルミニウムの追加関税を免除したことを紹介した。同紙は、中間選挙でトランプ政権が下院での多数を失う場合、「世界市場が不安定になり、オーストラリアにも影響する」と見解を示していた。

(小柳智美)

(オーストラリア、米国)

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