中間選挙、南東部は共和党が多数派を維持

(米国)

アトランタ発

2018年11月09日

11月6日に実施された米国の中間選挙について、南東部5州(注)の上院、下院、知事選挙の結果を、8日夕方時点の現地報道を基に報告する。

接戦のジョージア州とフロリダ州では未確定も

上院選は、フロリダ、テネシーの2州で実施された。フロリダ州では、トランプ大統領の支持を受けた共和党候補がいったんは勝利宣言したものの、その後の開票が進むにつれて得票差が縮まり、再集計となる可能性が高い。元実業家のリック・スコット現知事が60万ドルの選挙資金とトランプ大統領の支持を武器に、現職ベテランのビル・ネルソン上院議員に戦いを挑んでおり、8日夕方時点で得票差が0.22%となっている。フロリダ州では得票差が投票数の0.5%以下の場合には機械での再読み取り、0.25%未満の場合には手作業での再集計が義務付けられている。テネシー州では、女優のアシュリー・ジャッドさんや歌手のテイラー・スウィフトさんが民主党支持を表明して話題となったが、共和党優位は変わらず、共和党候補が10ポイント以上の差をつけて勝利した。

下院選では、4つの激戦区で民主党が共和党から議席を奪うなど、都市部を中心に民主党が躍進した(表1参照)。フロリダ州では、6つの激戦区のうち2つで民主党が共和党から議席を奪い、議席数を2つ増やした。ジョージア州では、2つの激戦区で大接戦の末、6区では民主党候補が共和党現職を破って議席を獲得した。サウスカロライナ州では、現職に予備選で勝利した保守強硬派のケーティー・アーリントン氏が敗れる波乱があり、民主党が1議席増やした。テネシー州とアラバマ州では両党とも議席を維持した。

表1 南東部5州の連邦下院議員選挙結果

知事選では、サウスカロライナ州、テネシー州、アラバマ州で共和党候補が順当に勝利したが、大接戦となったフロリダ州とジョージア州では勝敗がいまだに確定していない(表2参照)。フロリダ州では、メディアでの発言からミニトランプ代表格として知られるロン・デサンティス下院議員と、タラハシー市長でリベラル派のアンドリュー・ギラム氏が対決、8日夕方時点での差は0.47%となっており、再集計となる可能性が高い。ジョージア州では、ミニトランプの保守強硬派ブライアン・ケンプ共和党候補が勝利宣言をしたが、民主党のステーシー・エイブラムス候補は集計が未完了と主張、決選投票の可能性を残している。ジョージア州ではいずれかの候補が過半数を獲得しない場合には決選投票となる。サウスカロライナ州では、トランプ大統領の強力な援護を受けて予備選に辛勝した共和党ヘンリー・マクマスター知事が、ジョー・バイデン元副大統領の推薦を受けた民主党ジェームス・スミス候補に快勝。テネシー州では、共和党候補が10ポイント以上の差をつけて勝利。アラバマ州でも、現職の共和党キー・アイビー知事が6割近くの票を獲得して勝利した。

表2 南東部5州の知事選挙結果

(注)フロリダ、ジョージア、サウスカロライナ、テネシー、アラバマ。

(ラマース直子)

(米国)

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