8月の輸出額は前年同月比19.2%、輸入額は25.4%増加

(インド)

チェンナイ発

2018年10月01日

インド商工省は9月14日、2018年8月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は前年同月比19.2%増の278億4,000万ドル、輸入額は25.4%増の452億4,000万ドルとなった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は173億9,000万ドルの赤字となり、前年同月の赤字額(127億2,000万ドル)から36.8%拡大した。前月の赤字額(180億1,000万ドル)と比較すれば縮小したものの、国際的な原油価格上昇を背景に、高い水準にとどまっている。

輸出額の上位2品目である石油製品、宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は207億ドルで、前年同月の177億8,000万ドルと比べ16.5%増加した。主な輸出品目では、エンジニアリング製品が21.2%増、有機・無機化学品が39.9%増、医薬品・精製化学品が18.2%増と伸びた。

原油・石油製品の輸入額は前年同月比51.6%増

最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額は118億3,000万ドルで、前年同月比の78億ドルと比べ51.6%増加となった。商工省は、原油の国際価格が前年同月比で42.4%上昇した影響を指摘している。原油・石油製品以外の輸入額は334億1,000万ドルで、前年同月の282億7,000万ドルより18.2%増加した。主な輸入品目では、電子機器が前年同月比22.5%増、機械・器具が46.2%増、金が92.6%増、石炭が44.4%増と伸びた。

中央政府はルピー安阻止に向けた措置を発表

貿易赤字を主因に経常収支も赤字のインドでは、通貨ルピーの先行き不透明感が高まり、米国の利上げも相まって、対ドル相場で下落基調となっている。9月18日には1ドル=73.13ルピーと過去最安値を更新した。こうした情勢を受け、中央政府は同14日夜、ルピー安回避に向けた一連の措置を発表した。経常赤字の縮小に向けた規制緩和(外国資本の流入促進)のほか、必需品を除いた一部品目の輸入制限を決定した。地元紙によれば、具体的な制限品目については近日中に公表される見通しだが、インド輸出機関連合会(FIEO)のアジャイ・サハイ事務局長は「金やハイエンド向けの電子機器などが対象となり得る」との見方を示している(「ビジネス・スタンダード」紙9月15日)。

(榎堀秀耶)

(インド)

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