第1回eコマース・サミットがカイロで開催

(エジプト)

カイロ発

2018年10月09日

電子商取引ビジネスの可能性を探ることを目的に、「第1回eコマース・サミット」が9月26日、エジプト・カイロ市内のホテルで開催された。1,500以上の企業などが参加したほか、タラート通信情報相も出席し、約80人のスピーカーによる講演とパネルディスカッションなどで、エジプト市場が電子商取引の主要市場の1つになる可能性について議論された。

政府統計によると、エジプトのインターネット利用者数は2018年4月には3,960万人に達し、3月の3,910万人に比べて増加していると指摘されたほか、さまざまなプラットフォームへのアクセスが増え、エジプトの電子商取引サイトの数は合計約450に達し、一般向け電子商取引の売上高は2017年に前年比22%の増加を示したことが報告された。

本サミットの主催者で、デジタル技術を有するテック企業ロブスタの幹部は「eコマースの可能性を理解するために、先進国の状況を理解する必要がある。エジプトではオンライン取引が全体の2%を占めるのに対し、米国では20%だ」とコメントし、成長戦略の必要性を指摘した。

エジプト政府も、消費者保護法、サイバー犯罪法、データ保護法などの法改正など、eコマースビジネスが繁栄し続ける基盤的枠組みを提供していくとしている。

こうしたディスカッションのほか、エジプトで認知度の高いスタートアップ企業のファラックが協力し、起業チャレンジイベントも行われた。 ファラックは、スタートアップエコシステムの熱心な推進役を担っており、ビジネスアイデアの開発を促進・加速するためのプラットフォームを創設している。ファイナリスト10人によるピッチコンテストが行われ、優勝者には主催者から1万ドルの賞金が授与された。

30歳未満が人口の50%を占めるエジプトは、経済成長の原動力として電子商取引やスタートアップビジネスが注目されている。今回のサミットの最後には、eコマースをコアビジネスとしている有力な企業リーダーを表彰する式典で締めくくった。本サミットは2019年も開催の予定だ。

(常味高志)

(エジプト)

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