インド・西アフリカ国際会議が開催、日本ミッションも参加

(インド)

ニューデリー発

2018年10月19日

ジェトロは、インドと西アフリカを中心とした5カ国7つの日系企業・機関からなる20人規模の日本ミッションを組成し、ナイジェリアの首都アブジャで10月8~9日に開催されたインド・西アフリカ国際会議「CII-EXIM Bank Regional Conclave on India and West Africa project partnership」に参加した。本会議は、西アフリカでのインド・アフリカ協力の深化やプロジェクト発掘のため、インド工業連盟(CII)とインド輸出入銀行(EXIM Bank)が主催した。日本ミッションの目的は、日印連携によるアフリカの経済開発やビジネス振興をすることだ。

開会セッションに登壇したB.N.レディー駐ナイジェリア・インド大使は「日本ミッションの参加は、日印企業が連携してアフリカ市場開拓を進める戦略的パートナーシップが深化していることの表れだ」とし、日本ミッションの参加を歓迎した。会期中の10月9日には、ジェトロがインド、ナイジェリア企業関係者約100人を招待し、日本セッションを開催した。同セッションでは、参加日本企業によるプレゼンテーションやネットワーキングを実施した。菊田豊駐ナイジェリア大使は「今回の機会を通じて、日印アフリカのウィンウィンウィンの関係構築に期待したい」と述べた。

本会議のメインセッションでは、ナイジェリアのオケチュク・エネラマ産業貿易投資相が登壇し、インドとアフリカ各国の協力可能性について言及した。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS、注)加盟国であるガーナ、マリ、リベリアの閣僚によるセッションでは、各国のビジネス環境のPRや、開発需要についてのパネルが実施され、ECOWAS加盟国間の人やモノのアクセスの改善、地域横断的な取り組みの推進などが語られた。インドからは、外務省のM.J.アクバル国務相が「国民皆口座制度や国民識別番号制度(アドハー)を進めるインドの技術やガバナンスをアフリカでも生かしたい」と語った。商工省のC.R.チョードリー国務相も登壇し、インドの西アフリカにおける貿易・投資面でのプレゼンス向上に触れつつ、「まだこうしたビジネスが小さい国も多く、貿易品目の多様化などが求められる。具体的なアクションプランの構築が重要」とした。

同会議は、過去13年間にわたりインド・ニューデリーで開催している「CII-EXIM Bank Conclave on India Africa Project Partnership」の地域版として、アフリカ各地域で開催されており、2017年はウガンダで行われた(2017年12月21日記事参照)。今回は、インドから100人程度、アフリカからはナイジェリアを中心にECOWAS諸国を含め250人ほどが参加した。

写真 メイン会議の様子(ジェトロ撮影)
写真 日本セッションでのネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

(注)西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、1975年に西アフリカの域内経済統合を推進する準地域機関として設立。加盟国は、ベナン、ブルキナファソ、カボベルデ、コートジボワール、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、トーゴの15カ国。本部はナイジェリアのアブジャ。

(古屋礼子、西澤成世、築舘弘和)

(インド)

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