FEMSAがエクアドルのドラッグストアチェーンを買収

(メキシコ、エクアドル)

メキシコ発

2018年10月02日

メキシコ大手財閥フォメント・エコノミコ・メヒカーノ(FEMSA)は9月24日、チリの子会社ソフォカール(Sofocar)を通じて、エクアドルのドラッグストア運営会社GPFを買収したと発表した。GPFは、エクアドルで「フィベカ(Fybeca)」と「サナ・サナ(Sana Sana)」という2ブランドで合計620以上のドラッグストアをエクアドルで展開する同国の最大手。

FEMSAはメキシコのモンテレイに本社がある有力財閥で、世界最大のコカ・コーラボトラーであるコカ・コーラFEMSA(コカ・コーラとの合弁)を運営する飲料部門と、コンビニエンスストアやドラッグストアを運営する商業部門の2部門があるほか、2010年に実施した株式交換(2010年1月18日記事参照)によりオランダのビール大手ハイネケンの株式を10%保有する。商業部門は2018年3月末時点で米州最大の1万6,546の店舗数を誇るコンビニのオクソ(OXXO)、2017年末時点で中南米最多の2,225店舗を有するドラッグストア関連ビジネス、2013年末のエネルギー改革実現後に民間開放されたガソリンスタンド運営ビジネス(2016年3月9日記事参照)を展開する(OXXO GAS、2018年3月末時点で467スタンド)。

ドラッグストア関連ビジネスにおいては、メキシコ国内で「YZA」など3つのブランドで1,100以上の店舗を展開しているが、競合他社も多いために国内市場シェアは3%にすぎない。対外展開では2015年にチリのソフォカールを買収し、チリとコロンビアのドラッグストア店舗(Cruz Verde)を傘下に収めた(同時に、チリの美容関連店舗も取得)。現時点でチリとコロンビアで合計1,100以上の店舗を展開しており、メキシコと合わせると店舗数は2,200を超えて中南米最多となる(2位はウォルマートで約1,900店舗)。今回の買収により、エクアドルの620以上の店舗を傘下に収め、FEMSAは中南米全体で3,000弱のドラッグストアを運営することとなり、中南米地域の同業界におけるFEMSAの地位は確固たるものとなる。

(中畑貴雄)

(メキシコ、エクアドル)

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