デンソーと東軟グループ、大連でEV向け部品開発・販売の新会社

(中国)

大連発

2018年10月30日

デンソーの中国統括会社のデンソー(中国)投資と中国のIT大手東軟グループ(NEUSOFT)傘下の東軟睿馳汽車技術(上海)は10月17日、大連市で合弁による新会社設立の契約締結式を行った。電気自動車(EV)向けモーターコントローラーや関連製品の研究開発、販売などを手掛ける計画だ。計画投資額は1億7,500万元(約28億円、1元=約16円)で、出資比率は東軟睿馳が60%、デンソー(中国)投資が40%となる。

東軟グループの関係者によると、両社の連携により、急成長する中国のEV市場への参入拡大を狙っており、同グループの既存の販売ネットワークを通じて中国メーカーを中心に製品を供給していく計画だという。新会社の拠点として大連市を選定した背景には、大連市政府の補助金を含むEV事業への支援に加え、東軟グループの主な幹部や研究開発チームが同グループの本拠地である瀋陽市や大連市に集中していたことがあるという。

東軟グループは、グローバルにITソリューションを提供する企業で、自動車分野においては過去20年以上にわたり取り組んできている。2015年には、アルパイン電子(中国)との合弁で東軟睿馳汽車技術(上海)を設立した。EVなどのバッテリーパックの管理に加え、インテリジェントチャージや自動運転の中核技術およびクラウドプラットフォームを活用したテレマティクス、コネクテッドカーなどの分野で研究開発を進めている。

東軟睿馳汽車技術(上海)は、中国向けEV事業でホンダとも協力を進めている。ホンダが2018年に中国で発売を予定しているEVの開発、およびカーシェアリング事業にも協業領域を広げるとしている。

(呉暁東)

(中国)

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