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ムルマンスクに新石炭ターミナル建設、北極海航路での役割拡大へ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年10月12日

ロシア政府は、民間資金を活用し、ロシア北西部・北極圏のムルマンスク港の石炭輸出能力を拡張する。連邦政府は10月4日、政府指示第2111号-r(10月1日付)を公示し、ロシア国内の港湾施設を管理・運営する政府機関ロスモルレチフロトに対し、有限責任会社の海洋商業港ラブナ(以下、ラブナ)との間で、新石炭ターミナル建設に係るコンセッション契約(所有権を国・自治体に残したまま、民間事業体が運営を担う形式の契約。国・地域によって定義内容は多少異なる)を締結するよう指示した。同港は北極圏での資源開発向け資材輸送の中継港としても機能しており、今後、北極海航路輸送での同港の存在感が高まることとなる。

新事業では、現在ムルマンスク港が所在するコラ湾東岸の対岸(西岸)に、同港の主力輸出品目である石炭の積み替え基地と引き込み線を建設する(添付資料参照)。ラブナはターミナル運営権を取得することを条件に、新ターミナル、引き込み線(2.3キロ)建設資金を拠出し、敷設後の管理・補修などを担う。政府側は施設運営に関する法整備を行う。新ターミナルは「ケープサイズ」(注1)の船舶が接岸できる規模とし、年間石炭積み替え能力は2021年12月までに1,800万トンまで引き上げる。投資額は航行設備に18億ルーブル(約30億6,000万円、1ルーブル=約1.7円)、石炭ターミナル建設に240億ルーブル、鉄道建設に9億ルーブルが予定されている。コンセッション契約の期間は2038年12月まで。

既存のムルマンスク港のオペレーター最大手のムルマンスク商業港は2017年、過去最高となる1,463万トンの貨物積み替え(輸出)を記録した。また、ヤマルLNGなど北極海での資源開発事業向けの資材も同港を経由して輸送されており、関連資材の輸送量は2017年には2014年比で3倍となる32万6,000トンまで拡大した(注2)。その一方で、港湾が市街地に隣接するため、石炭輸送時の粉じんの発生や、港湾拡張の物理的余地がなく地域経済の発展や輸送量増加の妨げとなっていた。政府は、港湾を対岸に拡張させることでボトルネックを解消し、北極圏での資源開発事業への資材輸送を円滑化し、北極海航路経由での石炭などの天然資源輸送の増加を図る方針だ。

写真 ムルマンスク港。手前が東岸で、コラ湾を挟んで奥が西岸(ジェトロ撮影)

(注1)船舶重量15万~20万トン程度の大型貨物船。パナマ運河を通航できず、ホーン岬や喜望峰を経由することから、こう呼ばれる。

(注2)ムルマンスク商業港の作成資料による。

(高橋淳)

(ロシア)

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