1~9月の貿易は輸出入とも2桁増

(中国)

北京発

2018年10月22日

海関(税関)総署の10月12日の発表によると、2018年第3四半期まで(1~9月)の貿易総額は前年同期比15.7%増(上半期と比べ0.3ポイント下落)の3兆4,319億ドル、うち輸出は12.2%増(0.6ポイント下落)の1兆8,267億ドル、輸入は20.0%増(0.1ポイント上昇)の1兆6,053億ドルとなり、第1四半期、上半期から引き続いて2桁増を維持した。

対米輸出は2桁増も伸びがやや鈍化

税関の分類に基づく品目別にみると、輸出(数量)は自動車が前年同期比21.3%増、コークスが20.6%増、石油製品が20.5%増、アルミニウムなどが17.5%増、プラスチック製品が11.3%増、集積回路(IC)が8.9%増といずれも増加した。石炭は47.0%減、原油は38.7%減とそれぞれ減少した。鋼材は、数量は10.7%減少したものの、輸出額は12.2%増加した。輸入(数量)は、天然ガスが34.0%増、燃料油が18.5%増、銅材・銅製品が16.1%増、ICが14.7%増、金属加工機械が7.0%増、半導体装置などが5.4%増とそれぞれ増加し、中国が輸入規制を強化している廃プラスチック・古紙・廃スクラップは52.5%減と大幅に減少した。

主要国・地域別に貿易総額をみると、EUが前年同期比12.7%増の5,067億ドル、米国が12.1%増の4,718億ドル、ASEANが18.6%増の4,340億ドル、日本が10.7%増の2,437億ドル、韓国が16.0%増の2,346億ドルとなり、引き続き増加した(表参照)。ASEANではインドネシアへの輸出が27.3%増、ベトナムへの輸出が20.3%増と伸びた。米国との貿易は、輸出が13.0%増(上半期と比べ0.6ポイント下落)の3,488億ドル、輸入が9.4%増(2.4ポイント下落)の1,230億ドルで2,258億ドルの黒字(前年同期は1,960億ドルの黒字)となった。日本とは、輸出が8.5%増の1,079億ドル、輸入が12.5%増の1,358億ドルで279億ドルの赤字となった。

表 中国の主要国・地域との貿易額(2018年)

税関総署の李魁文報道官(兼同署統計分析司司長)は、第3四半期までの貿易について「穏中向好(安定の中、向上あり)」と評価し、その要因として、国内経済の安定、輸出先の多角化、輸出増値税の還付率引き上げ、自動車・同部品、医薬品、日用品などの関税率引き下げといった措置の効果が表れたこと、活発な内・外需により数量が増加したことなどを挙げた。また、今後の貿易の見通しについて、中米貿易摩擦などの影響で2018年通年の伸びは多少減速する可能性があるとした。

なお、李報道官は2018年第3四半期まで(1~9月)の北朝鮮との貿易について、総額が前年同期比59.2%減の111億1,000万元(約177億7,600万円、1元=約16円)、うち輸出が40.8%減の101億1,000万元、輸入が90.1%減の10億元と紹介した(注)。

(注)中国の全貿易相手国・地域とのドル建ての月次貿易統計は、通常翌月23日に公表される。

(小宮昇平)

(中国)

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