良好な投資先、中南米ビジネスのハブとしてのフロリダ州

(米国)

米州課

2018年10月25日

第41回日米南東部会・合同会議に先立ち、フロリダ州は10月18日に東京都内で投資誘致セミナーを開催した。セミナーでは、最近のビジネス環境に加えて、航空・宇宙、タービンエンジン、情報通信、不動産など幅広い産業分野や、さらに中南米ビジネスのゲートウエーとしてのフロリダの優位性が紹介された。三菱日立パワーシステムズ(MHPS)と丸紅の代表もスピーカーとして参加した。

フロリダ州が東京で投資誘致セミナーを開催

フロリダ州の人口は2,100万で全米3位、州内総生産(GSP)は1兆ドルで全米4位を誇る。2010年以降の8年間で、州のGSPは約4割増加した。日本企業の進出は200社を超え、500以上の拠点を構え、2万5,000人を雇用している。電力企業フロリダ・パワーライト(FPL)経済開発局長のクリスタル・スタイルズ氏は、多くの企業がフロリダ州を立地先に選ぶ理由について、(1)空港、港湾、高速通信網などインフラが整備されている、(2)個人所得税(州税)がない、(3)ハイテク人材が豊富、(4)州の政策がビジネスフレンドリー、(5)年間で1億人を超える観光客(2018年5月22日記事参照)を引きつける温暖な気候と生活環境、などを挙げた。

MHPSは北米統括本社を2001年にフロリダ州オーランドにおいている。当初80人の従業員でスタートしたが、現在は1,000人以上を雇用し、フロリダ州最大の日系企業に成長している。同社北米統括会社の六山亮昌会長は「何よりも州政府が経済開発のストラテジーを持っている。民間企業がビジネスを行う上で最高の場所だ」と話す。

写真 フロリダ州の投資誘致セミナー(ジェトロ撮影)

中南米ビジネスの拠点

フロリダ州内20の商業空港は米国および海外160都市と直行便で結ばれており、特に中南米諸国向けの直行便数は全米屈指だ。さらに、フロリダ州民の5人に1人が外国生まれでマルチリンガル、とりわけ中南米出身者が多く、連邦議員、商工会議所や主要企業の幹部として活躍している人が少なくないという。このため1,000社に近い世界企業が、中南米ビジネスの拠点をマイアミなどフロリダ州に置いている。その1つである丸紅の出村健ライフスタイル第2部長は「言語、国民性が異なる中南米諸国それぞれを日本から個別にみていくよりも、フロリダから包括的にアプローチする方がより効率的で、フロリダにはそれを支えるプロフェッショナル・サービスが整っている」と指摘する。

最後に、ハガティ駐日米国大使がセミナー参加者に向け、「米国では税制改革が進み、市場が成長し、企業の景況感は良好だ。投資の拡大に伴い日米関係も一層深化している」とのメッセージを寄せた。

フロリダ州の投資環境についてはエンタープライズ・フロリダのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(木村誠)

(米国)

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