日本との通商交渉に関するパブコメを10月26日から開始

(米国、日本)

ニューヨーク発

2018年10月26日

米国通商代表部(USTR)は10月26日、日本との通商交渉に関するパブリックコメントの受付を開始外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米国政府の交渉目的の参考にするためで、公聴会などは以下のスケジュールで実施する。オンライン上での意見募集については、連邦政府のサイト(USTR-2018-0034)で受け付ける外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

11月26日 書面でのパブリックコメント提出期限、公聴会での証言申し込みおよび証言の要約提出期限

12月10日 公聴会(必要に応じて11日まで延長)、開催場所:米国際貿易委員会(USITC)

USTRは関税および非関税障壁を対象とするとしており、「2015年大統領貿易促進権限(TPA)法」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注)102条に定められた交渉目的にのっとった上で、特に以下の点について、関係者から意見を募集する(ただし、意見募集の対象は以下の項目に限定されない)。

a.一般的および特定製品別の交渉目的

b.日米間の物品・サービス貿易における障壁に関して、交渉で議題とすべきもの

c.日本との貿易品に関する非関税障壁を除去・削減した場合に生じる、米国の製造者と消費者への経済的な費用(economic costs)と利益

d.以下の事項を含む製品別の対応〔HTSUSコード(米国の関税分類番号)で示すこと〕

(1)特定製品の輸出入に係る関心事項(interests)および障壁

(2)交渉で議題とすべき特定の措置に関する経験

(3)日本との貿易における輸出の優先事項と輸入に係るセンシティブ分野への対処方法

e.通関および貿易円滑化に関して、交渉で議題とすべき問題

f.衛生植物検疫措置や貿易の技術的障害に関して、交渉で議題とすべき措置

g.米国企業や労働者、農家・酪農家の公平な市場機会を失わせる、その他の措置や慣行で交渉で議題とすべきもの。

TPA法は、通商交渉を開始する90日前までにその意思を議会に通知し、30日前までに交渉目的の詳細をUSTRのウェブサイトに公開することを求めている。USTRは10月16日に、日本との通商交渉に関する議会通知を行っており、2019年1月14日以降であれば、正式な交渉開始が可能となっている(2018年10月17日記事参照)。なお、2019年1月14日に交渉を開始する場合は、2018年12月15日が交渉目的の公開期限となる。

またUSTRは、EU外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます英国外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとの通商交渉についても、パブリックコメントの受付を開始した。

(注)米国憲法では、外国との通商関係は議会が管轄している。TPA法は、この通商交渉に関する権限を大統領に一時的に付与するもの。TPAが大統領に与えられている場合、議会に対する報告・相談義務など、TPA法に定められた目的や手続きにのっとって政権がまとめた通商協定法案は、議会で修正を受けずに賛否のみの採決に付すことができる。

(鈴木敦)

(米国、日本)

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