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LNGカナダ、400億Cドルの液化天然ガス投資を最終決定

(カナダ)

トロント発

2018年10月09日

石油・ガス企業のコンソーシアムのLNGカナダ(注)のアンディ・カリッツ最高経営責任者(CEO)は10月1日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で推進する総額400億カナダ・ドル(約3兆4,800億円、Cドル、1Cドル=約87円)の液化天然ガス(LNG)プロジェクトに関する最終投資決定を行ったと発表した。カナダでの民間投資としては過去最大で、2020年代半ばのLNGの供給開始を目指し、直ちにパイプラインや工場の建設を始める。パイプラインと工場の建設ではピーク時に約1万人の雇用、LNGプラントの第1フェーズの操業時には最大900人の雇用が見込まれる。

価格の回復で大型投資を確定

この事業は、BC州北東部で産出するシェールガスを液化し、アジア太平洋地域に輸出するもので、キティマットに年間生産能力1,400万トンの液化プラントと輸出ターミナルを建設するとともに、ドーソンクリーク~キティマット間に670キロのパイプラインを敷設する。天然ガス価格の低迷で最終投資決定が遅れていたが、価格が回復したことやアジア太平洋地域での天然ガス需要の拡大が見込まれることから、大型投資が確定した。膨大な埋蔵量のあるBC州の天然ガスを太平洋岸の輸出ターミナルから輸送することにより、米国メキシコ湾からアジアに輸送するより約50%距離が短く、輸送時間も短縮できる(東京まで約8日間)。

エネルギー開発と環境保護・先住民利益確保とを両立

LNG カナダが建設する液化プラントは、現在世界で稼働している大規模なLNGプラントと比べても、二酸化炭素の単位当たりの排出量が最小になるよう設計されている。BC Hydro(BC州発電公社)の再生可能な水力発電と、高効率ガスタービンエンジンの組み合わせにより達成する。

パイプラインを敷設するトランスカナダは、パイプラインルート沿いに居住する20の全ての先住民共同体と補償金協定も締結しており、その額は6億4,000万Cドルに上る。LNGカナダのカリッツCEOは記者会見で、BC州政府、地元先住民、キティマットコミュニティーの支持を得ており、エネルギー開発が環境保護や先住民の利益確保と両立する事例だと述べた。

また、記者会見に同席したジャスティン・トルドー首相は「今回の決定は環境に配慮した開発事業への信任投票」と述べ、インフラ整備や環境保護対策に2億7,500万Cドルを支出することを明らかにした。同じく記者会見に同席したジョン・ホーガンBC州首相は「LNGカナダは州の目指すバランスの取れた持続可能な道筋の象徴」と歓迎の意を示した。BC州政府には、事業開始から40年間で220億Cドルの税収が見込まれている。

一方、ホーガン新民主党州政権と連立を組む緑の党のアンドリュー・ウィーバー党首は、(当初は新民主党も本プロジェクトに反対をしていたこともあり)「事業決定には大いに失望した」との声明を発表した。

(注)LNGカナダは、ロイヤル・ダッチ・シェル(英・オランダ、40%)、ペトロナス(マレーシア、25%)、ペトロチャイナ(中国、15%)、三菱商事(15%)、韓国ガス公社(KOGAS、5%)の各子会社が出資するコンソーシアム。

(酒井拓司)

(カナダ)

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