欧州の主要28産業団体、日EU・EPAの早期批准を連名で要請

(EU、日本)

ブリュッセル発

2018年10月15日

デジタルヨーロッパ(欧州情報通信民生電子技術産業協会)、欧州農業組織委員会・欧州農業共同組合委員会(COPA-COGECA)など欧州の28産業団体は連名で10月12日、欧州議会に対して日EU経済連携協定(EPA)の早期批准を求める声明を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

双方の産業・企業・消費者にとって利益を実現

この声明によると、日本とEUは価値観を共有できる、高度な先進経済であり、今日的な課題への対応でも共通する要素が多いという。具体的には「高齢化社会」「セキュリティー問題」「環境問題」などの課題に対するアプローチで近い立場にあるとしている。

また、世界的な保護主義の高まりの中、日本とEUはさまざまな機会で連携し、多国間・2国間の双方で、自由で公正な貿易を重視する強い姿勢を世界に繰り返し発信してきたことにも言及。双方の産業・企業、消費者は日EU・EPAを通じて、特に以下の利益を得ることができると述べている。

  1. 経済的・社会的課題の解決を通じた、双方の生活水準の向上
  2. ルールに基づく貿易や協力関係が脅かされている中では特に戦略的重要性を持つ、経済活動に関する予見性の担保(一方的な政治判断で通商条件などが安易に変更されない安定したビジネス環境を整備すること)
  3. 双方の産業・企業、消費者に経済的利益をもたらす、公平な競争条件の確保
  4. ほぼ全ての関税の撤廃、サービス・公共調達市場の開放、共通の通商ルールの構築
  5. 地理的表示保護、知的財産権などの保障
  6. サービス貿易、投資の活性化
  7. 研究開発プロジェクトでの相互連携、規制協力、国際標準化などでの協働

なお、連署に応じた欧州28産業団体は、鉄道、建設機械、半導体、家電、化学品、化粧品、繊維、農業、飲食料品、医療機器・医療技術、医薬品、靴、毛皮、家具、陶磁器、サービス産業、情報通信、クリエーティブ産業など多岐にわたり、製造業、サービス産業を問わず多様な業界が日EU・EPAを支持していることがうかがえる。

(前田篤穂)

(EU、日本)

ビジネス短信 60258977d7cd92a8