モリソン政権、電力価格の低減と電力の安定供給を推進

(オーストラリア)

シドニー発

2018年10月25日

オーストラリアのアンガス・テイラー・エネルギー相は10月10日、「オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー」紙がシドニーで開催した国家エネルギー・サミットに登壇し、モリソン政権は引き続き、電力価格の低減と電力の安定供給を推進していくとの考えを明らかにした。

ターンブル前政権が推進していたエネルギー政策「ナショナル・エネルギー・ギャランティー(NEG)」は首相交代を機に廃止され、その代替政策に注目が集まっていた。首相交代後、連邦政府がエネルギー政策についての方針を示すのは初めて。

テイラー氏は、NEGに代わる電力政策の主なポイントとして、(1)価格のセーフティーネット(価格高騰した場合の緊急的抑制措置)の導入、(2)過剰請求の撲滅、(3)発電所への投資、の3点を挙げた。具体的な対策については10月26日に開催するオーストラリア政府間評議会(COAG)のエネルギー委員会の場で議論がされる予定だ。

オーストラリアでは昨今、大手電力会社が意図的に供給量を操作している疑惑が報道されており、モリソン政権は市場操作を阻止できるよう、オーストラリア・エネルギー規制機関(AER)にさらなる権限を付与する。また、テイラー氏は二酸化炭素(CO2)排出量について、現在の水準に比べて今後26%程度削減することができるとの見解を示した。

(小柳智美)

(オーストラリア)

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