インド最大の化学系展示会「India Chem2018」で初の日印フォーラム開催

(インド)

ムンバイ発

2018年10月22日

インド西部マハーラーシュトラ(MH)州の州都ムンバイで10月4日、「日印化学・石油化学フォーラム」が初めて開催された。本フォーラムは、インドにおける日本の投資を議題に、同国最大の化学系展示会である「India Chem2018」内で実施され、日系化学メーカー4社と経済産業省が参加した。また、インド側からは中央政府、MH州政府、インディアン・オイルなどの現地企業約10社が参加した。

フォーラムでは、過去に日系化学メーカーとパートナーを組んだことのあるインド人企業家から「日本は技術と資本に優位性があり、インドは労働力や成長市場に優位性があるため、日本にはさらなる投資を行ってほしい」との声が出た。一方、日系メーカー参加者は「同国で工場建設を行った際、認可までに1年を要した」と述べ、「工場設立や環境に関する認可までの期間が短縮されなければ、一層の投資は難しい」との指摘があった。また、経済産業省製造産業局の井上宏一企画調査官は、日本の化学産業について概説した。その中で、日本における廃棄物のリサイクルシステムを紹介し、リサイクルのための技術やシステムを、日本から導入することを提案した。

なお、「India Chem」はインド化学・肥料省化学・石油化学局とインド商工会議所連合会(FICCI)主催で2年に1度開催され、今回で10回目だ。主催者発表によると、今回の出展社数は285社、総来場者数は1万6,230人だった。開会式にはニティン・ジャイラム・ガドカリ道路交通・高速道路相が出席し、化学産業を中心とした諸産業におけるバイオ燃料の活用を熱心に訴えた。また、主催者であるインド化学・肥料省化学・石油化学局のP・ラガベンドラ・ラオ次官は「インド経済の堅調な成長や健全な外国直接投資の伸張から、インド化学産業が現在、世界的な投資先となっている」と強調した。

写真 開会式であいさつをするガドカリ大臣(写真左)、日印フォーラムの様子(写真右)(ジェトロ撮影)

(若林康平、比佐建二郎)

(インド)

ビジネス短信 496850a87f91cdd3