チョン書記長、国家主席を兼務

(ベトナム)

ハノイ発

2018年10月24日

10月23日、故チャン・ダイ・クアン国家主席の後任に、グエン・フー・チョン共産党書記長の就任が国会で承認された。クアン氏が9月21日に死去して以降、ダン・ティ・ゴック・ティン国家副主席が職務を代行してきたが、10月2~6日に開催された第12期第8回共産党中央会議において、チョン書記長を国家主席に推薦することが全会一致で決定、今回の国会承認を経て正式にチョン書記長が国家主席を兼務することとなった。チョン書記長は就任のあいさつで、兼務の重圧を感じながらも、最善を尽くすことを宣言した。

チョン書記長はハノイ市生まれの74歳。ハノイ市党書記、国会議長などを歴任し、2011年1月に党書記長に就任、2016年1月の第12回共産党大会で再任された。日本との関係では、2015年9月に訪日し安倍晋三首相と会談を行い、2017年1月には訪越した安倍首相とハノイで会談した。今後は2018年11月に、国家主席としてAPEC首脳会議に出席し、安倍首相やAPEC加盟各国の首脳らとの会談を行う予定となっている。

書記長はベトナムの国家・社会を指導する共産党の最高指導者、国家主席は共産党指導の下における国家元首で、国内外でベトナムの代表者として公務を行うなど、「外交の顔」としての役割も担う。国家主席の就任には、政治局員を1期(5年)以上務める必要があるほか、党への貢献度合い、国防や司法などの多面的な知識が求められる。当地報道によると、書記長と国家主席の兼務については、共産党を主体とする国家運営の効率化につながると評価する意見が多い。高齢のチョン書記長がいずれ引退する場合に向けて、今後の体制づくりがどのように行われるのか、動向が注目される。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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