9月の新車販売台数、年率換算では2018年最多の1,744万台

(米国)

ニューヨーク発

2018年10月15日

モーターインテリジェンスの発表(10月2日、注)によると、米国における9月の新車販売の年率換算台数(季節調整済み)は前年実績(1,723万台)を上回る1,744万台となった。2018年に入ってから、月別で最多だった。

主要メーカー〔ゼネラルモーターズ(GM)を除く〕別に新車販売台数の前年同月比をみると、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)が14.7%増と大きく伸びた一方で、日産、フォード、トヨタは2桁の減少となった(表参照)。FCAは、ジープとドッジブランドなどが伸びた。日産は乗用車に加えて、人気モデルのCUV〔クロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)〕「ローグ」などが減少した。フォードはピックアップトラック「Fシリーズ」などを含む全モデルの7割以上のモデルがマイナスとなった。前年同月比の減少に関し同社は、2017年8月末にテキサス州の一部を襲ったハリケーン・ハービーの買い替え需要により、翌9月の販売が増加し、その反動減が響いたとみている。また、2018年9月中旬のハリケーン・フローレンスが一部地域での販売減に与えた影響も示唆した(フォード・プレスリリース)。トヨタはSUV「4Runner」やCUV「ハイランダー」が好調だったものの、中型乗用車「カムリ」などが押し下げ要因となった。

GMが発表した2018年第3四半期の販売台数は、前期比11.1%減の69万4,638万台と減少した。乗用車に加え、「シルベラード」や「アカディア」といった小型トラックも減少した。

なお、9月のインセンティブ(メーカーが消費者に提供する割引額)は、1台当たり、業界全体で前年同月比2.6%減の3,785ドルだった(ALG調べ)。おしなべて、2018年に入り、ほぼ横ばいの水準が続いている。

表 2018年9月のメーカー別新車販売台数(季節調整前)

(注)販売台数で首位のGMが、4月分から月次販売台数の公表を取りやめ、四半期ごとの公表に変更したことから、各社の販売台数を取りまとめていたモーターインテリジェンスは月次の発表を見合わせ、年率換算台数のみを公表することとした。これに伴い、ジェトロのビジネス短信では、年率換算台数とGMを除く主要メーカーの販売台数を月次で報告する。

(大原典子)

(米国)

ビジネス短信 236d2e1e67cb424d