上院改選で社民党が大敗、連立与党は少数派に

(チェコ)

プラハ発

2018年10月16日

上院議席の3分の1が10月5~6日(第1回投票)および12~13日(第2回投票)で改選された(注1)。上院81議席中27議席分の小選挙区で投票が行われ、与党のチェコ社会民主党(CSSD)は議席数を25から13に減らし、前回改選(2016年10月28日記事参照)に引き続き大敗を喫した(表参照)。連立与党のANO 2011(ANO)も第2回投票で10候補のうち当選者は1人のみで、1議席増にとどまった。

表 改選前後の上院の構成 (総議席数:81、改選対象議席数:27)

CSSDは上院第1党の地位を失い、ANOと合わせた議席が31から20に減ったことから、上院における与党勢力を一挙に弱めることとなった。さらに、連立与党に閣外協力しているボヘミア=モラビア共産党(KSCM)は唯一の1議席を失い、1996年の上院設置以降初めて議席0となった。

他方、最大野党の市民民主党(ODS)が6議席、中道右派の市町村長・無所属候補連合(STAN)も4議席増やしてともに議席数が16となり、上院第1党に躍進した。またキリスト教民主連合=チェコスロバキア人民党(KDU=CSL)は1議席失ったものの15議席を保持したことで、これら3党の中道右派勢力が上院議席の上位を占めることになった。

(注)上院(81議席)の3分の1議席改選は2年ごとに実施される。第1回投票で当該選挙区において得票率50%以上の候補者がいた場合はその候補者が当選、いない場合には得票率上位2候補の間で第2回投票が行われる。

(中川圭子)

(チェコ)

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