16番目のニュブレ州が誕生

(チリ)

サンティアゴ発

2018年09月06日

9月6日、チリの中部に16番目の州としてニュブレ州が誕生する。2015年に議会に提出された創設法案は、2017年7月に上院で可決、8月にバチェレ前大統領が署名し、同年9月5日に官報公示されていた。

ニュブレ州の前身はビオビオ州の一部で、北のマウレ州との州境に位置する。ディギジン(Diguillín)、プニージャ(Punilla)、イタタ(Itata)の3県に分けられ、州都はチジャン(Chillán)に置かれる。国家統計院(INE)の2017年国勢調査によれば、新州の人口は48万609人で、面積は1万3,178.5平方キロと16州中で最小だ。

主要産業は農牧業で、サクランボやブルーベリーなどの果物栽培が盛ん。一方で、社会開発省が行った2017年の社会経済特性調査(Casen)では、貧困率(16.1%)はラ・アラウカニア州(17.2%)に次ぎ、失業率も高い。

なお、2018年2月からローマ数字による州表記が撤廃され(法21074号、2018年2月15日官報公示)、ニュブレ州についても従来のような第XVI州という表現は用いられない。

州知事は2020年から直接選挙に

また、2017年1月の法改正(法20990号、2017年1月5日官報公示)により、これまで大統領に任命されていた州知事は直接選挙で選ばれることとなった。地方分権化の促進を目的に、2020年から実施され、任期は4年、連続再選は1回限りとなっている。併せて、大統領任命による大統領地方長官(Delegado Presidencial Regional)のポジションが各州に配置され、大統領の指示に従い地域の調整と監督を担当することになる。

(中山泰弘、岡戸美澪)

(チリ)

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