身分証明書の情報、2019年9月から取り扱いを厳格化

(シンガポール)

シンガポール発

2018年09月04日

シンガポール情報通信省の個人情報保護委員会(PDPC)は8月31日、2019年9月から個人情報保護強化の一環として、個人の身分証明書の情報収集や取り扱いに関するガイドラインを厳格化すると発表した。これにより、個人の国家登録身分証明カード(NRIC)の提出が法律で規定されていない限り、企業や団体がNRICの提出を求めたり、その番号情報を記録したりすることが禁止される。

PDPCによると、2019年9月から、オフィスビルや住宅などを訪問する際や、映画などのオンライン予約、イベントの申し込み、市場調査などを行う際に、企業や団体がNRICの番号情報やカードの提出を求めることが禁止となる。個人情報の取り扱いに関する規則強化の対象には、出生証明書番号、外国人登録番号(FIN)、就労許可証(ワーク・パミット)番号も含まれる。また、外国人の旅券(パスポート)番号についても、正当な理由がない限り、個人の特定が可能な番号を記録することは避けるべきだとしている。ただし、携帯電話の新規契約や入院、ホテルのチェックイン、たばこの購入など、法律でNRICや旅券番号などの提示が規定されている場合は例外となる。

PDPCは発表で、NRICの情報取り扱い指針を強化する理由について、「現状のデジタルエコノミーにおいて、NRIC番号を安易に収集したり扱いがずさんだったりした場合、情報が流出してしまうリスクが高まり、NRICの番号を悪用して違法行為が行われる可能性もある」と説明した。NRICの番号の取り扱いに関する新しいガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、PDPCのウェブサイト参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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