中銀、2018年4度目の政策金利引き上げで1.50%に

(チェコ)

プラハ発

2018年09月28日

チェコ国立銀行(中央銀行)は9月26日の理事会で、政策金利を9月27日付で0.25ポイント引き上げ、1.50%とすることを決定した。直近では8月初旬に利上げしており、今回は2018年に入ってから4度目(2018年2月9日記事6月29日記事8月8日記事参照)となる。同時に、ロンバートレート(債権担保貸付金利)およびディスカウントレート(割引率)も0.25ポイント引き上げ、それぞれ2.50%、0.5%とした。

中銀のイジー・ルスノク総裁は8月の利上げ決定に際して、「現在の経済状況が継続した場合には、早ければ次回の理事会でさらなる利上げが決定される可能性もある」と予告していた。

チェコ統計局の8月の発表によると、2018年第2四半期のGDPは、好調な家計消費と企業投資を背景に前年同期比2.4%増だった。第1四半期の4.4%よりは大幅に減速したが、これは2017年第2四半期のGDPが高水準だったためで、依然として堅調な伸びを示している。第2四半期の賃金上昇率は8.6%と第1四半期と同様で、8月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比2.5%となり、前月の2.3%よりやや上昇した。またチェコ労働局によると、8月の失業率は3.1%で前月と同じだった(注)。

ルスノク総裁は今後の利上げの可能性について、「政策金利は将来的に2.5%、3.0%まで引き上げられる可能性がある。ただし、今年末までに行うわけではない。11月のマクロ経済見通しの更新時点で判断する」と説明した。

(注)チェコ労働局が用いている失業率算出方法は15~64歳の人口を対象とし、EUが用いている労働力調査(LFS、15~74歳が対象)を基にした算出方法とは異なる。

(中川圭子)

(チェコ)

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