第2四半期のGDP成長率は前期比0.7%、好調を持続

(スイス)

ジュネーブ発

2018年09月18日

経済省経済事務局(SECO)の9月6日の発表によると、2018年第2四半期のスイスの実質GDP成長率は5期連続で好調な伸びを示し、前期比0.7%(前年同期比3.4%)だった(表参照)。なお、SECOは第1四半期の成長率について、前回発表の0.6%から1.0%に上方修正した。

表 スイスの実質GDP成長率 (前期比)

需要項目別にみると、内需の勢いがやや鈍化する中、建設投資が前期比0.8%増と加速した。個人消費は、例年よりも温暖だった気候によって暖房用エネルギー消費が伸び悩み、0.3%増となった。設備投資は前期まで高水準で推移していたが、当期は減少に転じ(0.3%減)、財の輸入減(1.1%減)につながった。財の輸出全体では2.6%増となり、3期ぶりの高い成長率となった。

産業別では、堅調な外需と、為替が対ユーロでフラン安に推移したことを背景に、2017年春以来好調を続ける製造業が、前期比1.5%増とGDP成長率に大きく貢献した。また、水力発電所や原子力発電所の電力供給増加により、エネルギー分野も4.8%増と高い伸びだった。サービス分野は旅行客の宿泊日数増加に伴い、ホテルと外食が急速に伸び1.4%増だった一方で、ヘルスケア(0.5%増)とビジネス関連サービス(0.3%増)は前期により減速し、商取引は0.2%減とマイナスに転じた。娯楽産業はFIFAワールドカップ開催による放映権収入などにより、10.1%増と2桁の伸びを記録した。

SECOは6月19日に発表した 経済予測で、2018年通年の実質GDP成長率を2.4%としている(2018年6月28日記事参照)一方、欧州委員会によるユーロ圏の2018年の実質GDP成長率予測は2.1%だ(2018年7月13日記事参照)。スイス経済は、幅広い産業に支えられて3四半期連続でユーロ圏を上回るペースで成長しており、今後も堅調に推移するとみられる。

(杉山百々子)

(スイス)

ビジネス短信 f00274759d2bb325