南北首脳、平壌共同宣言合意書に署名

(韓国、北朝鮮)

ソウル発

2018年09月21日

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は9月18日から北朝鮮の平壌(ピョンヤン)市で2日間にわたり、3回目の首脳会談を行い、「9月平壌共同宣言合意書」に署名した。合意書のポイントは次のとおり。

  1. 「板門店宣言軍事分野履行合意書」を採択し、南北軍事共同委員会を早期に稼働し、偶発的な武力衝突防止のために緊密に協議する。
  2. 南北間の鉄道および道路連結のための着工式を2018年内に実施。条件が整い次第、開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光事業を優先して正常化させる。
  3. 離散家族常設面会所(金剛山地域)を早期に開所する。南北赤十字会談を通じ、離散家族の画像(オンライン)再会とビデオレターを交換する問題を優先的に解決していく。
  4. 平壌芸術団のソウル公演(10月中)を推進し、2032年夏季オリンピックの共同開催誘致に向けて協力する。
  5. 北朝鮮は東倉里(トンチャンリ)エンジン試験場とミサイル発射台を関係国専門家の参観の下で、優先して永久廃棄する。米国が相応の措置を取れば、寧辺(ニョンビョン)の核施設の永久廃棄のような追加措置を取る用意があることを表明。
  6. 金委員長が近いうちにソウルを訪問する。

合意書について、韓国・青瓦台(大統領府)は「実質的に(朝鮮戦争の)終戦を宣言し、共同繁栄に向かう具体的な実践策を提示した」「朝鮮半島の非核化は(金委員長が)寧辺核施設の廃棄意志を表明したことで実践的な段階に突入し、軍事的な緊張緩和は実質的な不可侵を制度化した」とするコメントを発表した。国連総会に参加する文大統領は9月24日(米東部時間)に米国のトランプ大統領と会談し、今回の会談内容を説明する見通し。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国、北朝鮮)

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