ドゥケ大統領がトランプ米大統領と初会談、麻薬対策など協議

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年09月28日

コロンビアのイバン・ドゥケ大統領は9月25日、国連総会が開かれているニューヨークで米国のドナルド・トランプ大統領と初めての首脳会談を行った。会談では、主に麻薬対策とベネズエラ情勢について意見を交わした。

会談の冒頭でトランプ大統領は、8月7日に就任したドゥケ大統領への祝意を述べ、麻薬対策に対し強い姿勢を示しているドゥケ氏が選挙公約を守ることを期待していると述べた。これに対しドゥケ大統領は、近日中に大麻およびコカインの個人使用・所持を禁じる法令に署名する予定であることを明らかにし、国内の違法作物栽培への対策を強化するため、トランプ大統領に対し協力強化を求めた。

ドゥケ大統領は、反政府武装組織の民族解放軍(ELN)との和平交渉に関しても言及。ELNが全ての人質を解放し違法行為をやめない限り、交渉の可能性はないとあらためて表明した。

ベネズエラ情勢に関しては、マイク・ペンス米副大統領が9月25日の国連総会で、ベネズエラ難民の受け入れ先となっている国々に計4,800万ドルの追加支援を行うと発表。またベネズエラへの制裁強化として、マドゥロ大統領夫人のシリア・フロレス氏ほか、デルシ・ロドリゲス副大統領やウラディミール・パドリノ・ロペス国防相ら大統領に最も近い閣僚を対象に、米国での銀行口座の保有や米企業との取引を禁じると発表した。トランプ大統領は首脳会談の場で、ベネズエラの状況は米国にとっても、コロンビア含む周辺国にとっても受け入れがたいものとの見解を述べている。また、ドゥケ大統領との会談の翌日には、ベネズエラの人道危機への対応として、強硬なものとそうでないもの、全ての選択肢があると語り、一方で、マドゥロ大統領が会談を望むのであれば、自分にはその用意ができていると語り、対話姿勢も垣間見えた。

ドゥケ大統領は9月26日、国連総会の演説で、和平合意の実行、麻薬撲滅、汚職撲滅、ベネズエラの人道危機について語った。和平合意に関しては、十分な予算が充てられないまま多くの合意が締結されたと述べ、今後、和平を推進していく上では国際社会からの支援が欠かせないとして、資金面での協力を要請した。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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