スチレン・ブタジエンゴムのAD調査で暫定課税されず

(メキシコ、日本、韓国、米国、ポーランド)

メキシコ発

2018年09月18日

経済省は9月11日、2017年8月に開始した米国、ポーランド、韓国、日本を原産国とするスチレン・ブタジエンゴム(SBR)に対するアンチダンピング(AD)調査(2017年8月21日記事参照)の仮決定文書を官報公示した。

官報公示された経済省の国際通商措置ユニット(UPCI)の文書によると、ダンピング輸入の調査対象期間として設定された2015年11月1日~2016年10月31日に、米国、ポーランド、韓国、日本から不当に低い価格でSBR輸入が行われ、メキシコ国内の同種産品の生産活動に悪影響を与えたことを示唆する要素が存在することを認めたが、現段階で暫定AD税を課税する必要性はないとしている。

従って、経済省が今後もAD調査を継続し、最終決定の段階で、AD税を賦課するかどうか決定される。WTOのAD協定の第5.10条は、AD調査を開始後18カ月以内に完結させなければならないと規定しているため、2019年の2月初めまでには結論が出されるものとみられる。

利害関係者は10月8日まで意見書の再提出が可能

仮決定文書の349.によると、本件についての利害関係者(AD調査申請者、輸入業者、輸出業者、在メキシコ大使館)で今回の調査への参加が認められている(意見書などを期限内に提出している)者は、本仮決定の官報公示(9月11日)から20営業日以内(10月8日午後2時まで)に、UPCIに再度意見書を根拠書類などとともに提出することができる。

仮決定文書の18.によると、現時点で利害関係者として経済省に認定されているのは調査申請者に加え、輸入業者8社、輸出業者4社、在メキシコ大使館2公館、全国ゴム産業会議所(CNIH)で、日本企業・日系企業としては、輸入業者1社、輸出業者2社が含まれている。

(中畑貴雄)

(メキシコ、日本、韓国、米国、ポーランド)

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