イラン・ロシア・トルコ首脳が会談、シリア情勢など協議

(イラン、ロシア、トルコ)

テヘラン発

2018年09月12日

9月7日、イランのローハニ大統領、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領がテヘラン市内にて、3カ国首脳会談「テヘラン・サミット」を開催した。主にシリア情勢などについての協議が行われたが、イランとの米ドルを介さない自国通貨での決済システムについても議論されたもようだ。

当地報道などによると、シリアからの難民問題を抱えるエルドアン大統領が、シリアのアサド政権が準備を進める反体制派の拠点イドリブへの攻撃について停戦を求めた。しかし、ローハニ大統領は「イドリブのテロリストとの戦いは、シリアの平和と安定のために必要不可欠」と述べ、プーチン大統領も「テロリストであるイスラム過激派グループなどを含まずに停戦することは無意味」などとして応じなかった。

サミット後、プーチン大統領はイランのハメネイ最高指導者とも会談。特に経済分野については、新たな原子力発電所などの建設プロジェクト、鉄道の電化プロジェクト、イランの石油販売の拡大などについて提案した。また、ローハニ大統領との会談でも、ロシア企業はイランへの投資を諦めておらず、両国の経済関係強化のため、ロシアはイランの核開発に関する「共同包括行動計画(JCPOA)」関係国とも協議を続けている旨述べた。

また、エルドアン大統領もハメネイ最高指導者と会談した。同指導者は「イスラム諸国間の関係緊密化が、現在のムスリム界で最も重要なこと」と述べたのに対し、同大統領も「イスラム諸国に対する欧米の振る舞いによって、状況が非常に不安定になっている」とし、両国間の関係を強化すべきと述べた。

なお、次回の3カ国首脳会談はロシアで開催される見込み。

(中村志信)

(イラン、ロシア、トルコ)

ビジネス短信 c55437af6bfc897f