マハーラーシュトラ州が工業団地価格を改定、約10%の上昇

(インド)

ムンバイ発

2018年09月06日

インド西部に位置するマハーラーシュトラ州(以下、MH州)の産業開発公社(MIDC)は8月27日、同社が運営する州内の工業団地価格の改定を発表した(表参照)。同改定は2016年1月の改定から約2年半ぶりで、発表当日から適用される。

表 工業団地価格の改定

日本企業専用工業団地があるスパ地域や、日系企業が多く進出するチャカンなどをはじめとしたMH州全域で、約10%価格が上昇した。

インドの工業団地は未整備のまま土地区画のみを引き渡す形態が多い中、スパ日本企業専用工業団地はインフラと区画を整備した上で引き渡しており、同形態を取る工業団地において、国内で最低水準の価格を維持している。MIDCの価格改定は不定期で、2年から4年ほどの周期で10%程度ずつ上昇している。

州都ムンバイを擁するMH州は、金融・商業の中心地であるだけでなく、インド屈指の工業州でもある。インド統計局が発表した、現時点で最新の統計である「年次工業調査 2015~2016」によると、同州は製紙・紙製品、ゴム・プラスチック製品、電気設備、機械などの分野において、インド最大の生産額を誇る。同州には外資系企業および工場が数多く立地しており、スパ日本企業専用工業団地に隣接する区画には現在、米国や中国の家電メーカーが工場を建設中で、さらに地場の梱包(こんぽう)メーカーが工場設立を決めているなど、同州の土地需給は逼迫している。

プネ市街に位置するタレガオンおよびチャカンからスパ工業団地にかけては一本の街道で結ばれ、MH州の工場集積地となっている(同州の工業団地地図参照PDFファイル(0.0B))。同地域はムンバイ港からのアクセスも良好で、かつインドの製品輸送網の中間に位置し、南北をつなぐ結節点となっていることから、同州の工業団地の旺盛な需要は続くとみられる。

(比佐建二郎)

(インド)

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