2045年に再エネとゼロ・カーボンによる発電比率100%を目指す

(米国)

米州課

2018年09月04日

カリフォルニア州議会は8月29日、再生可能エネルギーによる発電比率を2030年に60%に、再生可能エネルギーと「ゼロ・カーボン」のエネルギーによる発電比率を2045年に100%に高める法案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを可決した。同法案は州上院のケビン・デ・レオン議員(民主党)が提出していたもので、近日中に、ジェリー・ブラウン知事(民主党)に送付、署名される。

カリフォルニア州議会が可決

再生可能エネルギーによる発電比率を規定した「再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準(RPS)」は現在、全米29州と首都ワシントンが導入している。RPSは、全ての発電事業者(ユーティリティー)および電力小売事業者に対して、その電力販売量の一定割合を再生可能エネルギー発電から供給することを義務付けるプログラムだ。ハワイ州は2045年にRPS100%、バーモント州は2032年に75%達成を目指している。

カリフォルニア州は、これまではRPSを2020年に33%、2024年に40%、2027年に45%、さらに2030年に50%と段階的に高めることを目指してきたが、今回の法律で目標値を100%に高めることになった。

電力料金のさらなる上昇に懸念も

もっとも、ハワイ州やバーモント州のRPSと異なり、今回のカリフォルニア州の法律では、最終的には「再生可能エネルギーおよびゼロ・カーボンのエネルギー」による発電比率100%を目指すとしており、CCS(二酸化炭素回収装置)付き火力発電や原子力発電も含まれる。米国エネルギー情報局(EIA)によると、カリフォルニア州の電源別発電構成は、2018年5月時点で再生可能エネルギー38.9%、天然ガス火力29.5%、水力20.5%、原子力11.0%となっている。

カリフォルニア州エネルギー委員会は2018年5月、気候変動対策の一環として、2020年1月1日以降に同州で建築される全ての新築住宅に太陽光発電システムの設置を義務付けることを決定している(2018年5月16日記事参照)。新築住宅の「ネット・ゼロ・エネルギー」化や分散型発電が普及すれば、高い再生可能エネルギー発電比率の達成も可能との見方もある。

(木村誠)

(米国)

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