第2四半期のGDP成長率は前年同期比5.3%、伸びが加速
(チリ)
サンティアゴ発
2018年09月10日
チリ中央銀行の発表(8月20日)によると、2018年第2四半期の実質GDP成長率は前年同期比5.3%で2012年第4四半期以来の5%台となった(図参照)。
需要項目別にみると、内需が前年同期比6.0%増と好調で、いずれの項目も前期より加速した(表1参照)。民間消費は4.5%増で、内訳をみると医療、レストランやホテルなどのサービス分野が主体となっている。耐久消費財は自動車や電化製品の売り上げ増加がGDPの伸びに貢献した。非耐久消費財は医療品が減少したものの、衣料品や食料品が伸びた。政府消費は教育、保健分野への予算執行により、2.8%増となった。総固定資本形成は輸送車両、電子・電気製品、工業用機械などを中心とした設備投資が12.5%増と大幅に伸び、全体で7.1%増加した。輸出は主に鉱業と製造業が牽引し、さらに第1四半期から好調な農林水産業が伸びに貢献した。輸入は金属製品、機械製品、燃料や化学製品の増加が目立った。
経済活動別では、製造業、商業、個人サービス、企業サービスなどの寄与度が高い(表2参照)。製造業については食品、飲料・たばこが目立つ。食品では鶏肉などの畜産分野、加工果実、飼料生産が、飲料では2018年のブドウの収穫増を反映したワイン生産が活発だった。背景としては農林水産分野において、果物、特にブドウとブルーベリー、それに養殖サーモンの生産・水揚げ増がある。鉱業は主要鉱山での採掘増や採掘プロセスの改善などにより、銅や非金属鉱物の生産が増加した。中央銀行は、2018年通年のGDP成長率を3.25~4.0%と予測している。
(岡戸美澪)
(チリ)
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