フロリダ州、空軍基地のロケット発射施設再開発へ

(米国)

アトランタ発

2018年09月26日

フロリダ州政府の航空宇宙産業振興機関スペース・フロリダは9月11日、米空軍との間で、同州ケープカナベラル空軍基地第20発射施設の再開発に先立つ実地調査を目的とした施設立入権を認める合意書を締結した。スペース・フロリダは小型衛星企業3社に対して誘致交渉を行っており、企業進出が決定次第、打ち上げセンター建設に着手できるよう、環境調査を含む事前準備を完了しておく意向だ。調査完了後、米空軍との間でリース契約を締結して施設を再開発、商業用小型衛星打ち上げ施設として企業に転貸する予定だ。

スペース・フロリダによると、1950年代後半にタイタンロケット打ち上げに利用された第20発射施設は、2カ所の打ち上げスペースのほか、衛星打ち上げロケットを格納できる6,000平方フィート(約557平方メートル)の格納庫と発射管制棟を有し、「他の候補地に比べて短期間かつ低コストでの開発が可能」(スペース・フロリダ・バイスプレジデントのデール・ケッチャム氏)」という。

米衛星産業協会によると、2017年の全世界における衛星打ち上げ市場の規模は2,686憶ドルに上る。急速に成長している小型衛星分野において企業誘致合戦が全米で激しく繰り広げられる中、スペース・フロリダは「フロリダ州打ち上げ基地整備プログラム」に基づく資金調達など、企業の初期投資と事業継続の負担を軽減するさまざまな手法を提供して企業の誘致を図る。スペース・フロリダが誘致を目指しているのはカリフォルニア州に拠点を置くロケットラボおよびバージン・オービット、テキサス州を拠点とするファイアフライ・エアロスペースの3社であり、「激しい誘致競争の中、3社全ては厳しいが少なくとも1社は誘致したい」とケッチャム氏は話す。

(ラマース直子)

(米国)

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