広東省、大型台風22号「山竹」の被災者に税優遇

(中国)

広州発

2018年09月26日

国家税務総局広東省税務局は9月18日、9月16日にかけて広東省に上陸した大型台風22号「山竹」の被災者向けに、自然災害被害に対する税優遇などをウェブサイトに掲載した。

広東省政府によれば、「山竹」により広東省だけで4人が死亡、家屋倒壊121件、経済損失は42億4,900万元(約680億円、1元=約16円)に達するという。

台風により発生した資産損失の控除、損失を受けた商品の仕入増値税の振替免除など、15項目について解説している。主な内容は以下のとおり。

  • 資産損失の控除:自然災害などの不可抗力により生じた資産損失は、税引き前利益からの控除が可能。控除には法人税納税申請表の「資産損失税前控除および納税調整明細表」への記入が必要。その他の資料を送付する必要はない。申請形式は「リスト申請」と「特定項目申請」があり、自然災害被害は「特定項目申請」に当たる。
  • 仕入増値税の振替:「中華人民共和国増値税暫定条例実施細則」第24条により、自然災害による損失を受けた商品について、仕入増値税の振替処理をする必要はない(仕入増値税の控除が可能)。
  • 増値税発票の破損:台風により、まだ発行していない増値税専用発票、自動車販売統一発票、増値税普通発票が破損し、かつ識別番号などが認識可能な場合、増値税発票発行システムを通じて無効処理を行うことができる。
  • 個人所得税の減免:自然災害により重大な損失が生じた場合、許可を受けることで個人所得税の減税が可能。保険金控除を除いた実際の損失額について、個人所得税課税額から差し引くことできる。減免額は災害被害を受けた年の個人所得税額の80%以下とする。
  • 不動産税の減免:自然災害などにより、正常な生産・経営活動が重大な影響を受け、納税が困難となった場合、不動産税を減免できる。
  • 車両・船舶税の還付:納税済みの船舶、車両などが廃棄・使用不能となった場合、該当する月から年度終了までの税額を還付申請できる。

(河野円洋)

(中国)

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