サハリン州知事が沿海地方知事代行に就任

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年09月28日

プーチン大統領は9月27日、ロシア極東沿海地方のアンドレイ・タラセンコ知事代行を退任させ、サハリン州のオレグ・コジェミャコ知事を沿海地方の知事代行として任命する大統領令に署名した。

タラセンコ知事代行は、9月9日に実施された統一地方選挙で共産党のアンドレイ・イシチェンコ候補を抑え、16日の決選投票でも僅差で競り勝ったが、不正が行われた疑いがあるとの理由から沿海地方選挙管理委員会は選挙結果を無効とする決定を下し、再選挙が予定されていた(2018年9月21日記事参照)。

コジェミャコ氏は9月27日、プーチン大統領との会談で沿海地方知事選挙への立候補意欲を表明。プーチン大統領もタラセンコ知事代行が辞意を表明していることを明かし、「沿海地方は重要な地域であり、(再選挙実施までの)2カ月とはいえ知事不在の期間があってはならない」として、コジェミャコ氏の任命を決定した。

コジェミャコ氏は沿海地方出身で、同地方から上院議員に選出された経歴を持つ。知事職としてはコリャーク自治管区(現在はカムチャッカ地方の一部)、アムール州、サハリン州に次ぐ4カ所目となる。サハリン州知事として北海道との交流を推進し、第4回東方経済フォーラム直前の9月10日にウラジオストクで開催された政府会合では、サハリンと(大陸側の)ハバロフスク地方を結ぶ鉄橋の建設、さらにその先のサハリンと北海道間をつなぐ大陸輸送事業の実現に意欲を示していた。

連邦政府はロシア極東開発を積極的に推進するが、9月23日には沿海地方と並ぶロシア極東の中心地域であるハバロフスク地方で知事選の決選投票が行われ、与党「統一ロシア」から立候補した現職のビチェスラフ・シポルト知事がロシア自由民主党の候補に大差で敗れるなど、政権側に逆風が吹いている。

(高橋淳)

(ロシア)

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