沿海地方知事選、不正行為の疑いで再選挙に

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年09月21日

沿海地方選挙管理委員会は9月20日、9月16日に行われた沿海地方知事選挙の2次投票(決選投票)に不正行為があった疑いがあるとして、投票結果を無効とする決定を下した。

今回の沿海地方知事選挙は9月9日の「統一地方選挙の日」に行われ、現職のアンドレイ・タラセンコ知事代行(統一ロシア)が46.56%の得票率(次点は共産党のアンドレイ・イシチェンコ氏で24.63%)で1位となるも、得票率が過半数に達しなかったため、タラセンコ氏とイシチェンコ氏による決選投票が行われた。

決選投票の結果は、タラセンコ氏の得票率が49.55%、イシチェンコ氏が48.06%で、タラセンコ氏が勝利したが、7,500票余りの僅差だった。この結果に対し、両候補の陣営を中心に200件以上の苦情が沿海地方選挙管理委員会に寄せられた。内容の多くは両候補に贈賄などの選挙違反があったというもの。また、開票作業終盤の票数の不自然な動きも有権者の不信を招いている。共産党のゲンナジー・ジュガーノフ党首はプーチン大統領に開票作業に関する調査を要求。中央選挙管理委員会は沿海地方選挙管理委員会に対し選挙の無効認定とやり直しを勧告していた。

この事態を受けて、沿海地方選挙管理委員会は選挙結果を無効とし、再選挙の実施を決定。沿海地方政府は3カ月以内(12月16日まで)に再選挙を実施しなければならない。再選挙の日程は9月26日に沿海地方議会で審議される。

プーチン政権はロシア極東の社会・経済開発を優先課題としてさまざまな施策を打ち出している。ウラジオストクを抱える沿海地方はその中心地域であるだけに、再選挙の結果は今後の地方政策に影響を及ぼす可能性がありそうだ。

(戎佑一郎)

(ロシア)

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