首脳会談、共同資源探査や原油供給など経済関係深化で一致

(アゼルバイジャン、ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年09月03日

アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は9月1日にロシア南部ソチを訪問し、プーチン大統領と会談を行った。両国首脳は経済分野の関係深化で一致。15の文書に署名した。

両国政府間で締結された案件として経済分野で署名された文書は、(a)(プーチン大統領の任期末の)2024年までの協力事業、(b)重点5分野での行動計画、(c)不動産登記制度の整備、(d)工業政策、(e)送電線・パイプライン輸送における税関管理、(f)輸送システムのデジタル化、(g)航空貨物輸送の税関取り締まり、(h)中小企業支援での協力について合意。個別案件としては、(1)アゼルバイジャン国営石油・天然ガス採掘大手ソカルがロシア輸出センター、ガスプロム銀行の輸出を支援する、(2)ロシア商用車組み立て大手ガズがアゼルバイジャン自動車組み立て大手アゼルマシの工場でガズ車を組み立てる、(3)カスピ海のゴシャダシ鉱区とアプシェロン半島浅瀬北部(ともにアゼルバイジャン領)で天然ガス・油田を共同探査するほか、(4)ロシア原油採掘大手ロスネフチがソカル所有のトルコ・イズミール近郊スター石油精製所(2018年10月稼働開始)向けに年間100万トンの原油を供給する契約が締結された。

共同声明で両国首脳は、両国間で貿易額が増加傾向にあること、中小企業協力、エネルギー、非エネルギー、電力分野などでの協力が進んでいることを歓迎し、アゼルバイジャンを経由しロシアとイラン、ペルシャ湾岸諸国、インドを結ぶ「南北」輸送路事業(2018年2月1日記事参照)を積極的に推進することを表明した。

(高橋淳)

(アゼルバイジャン、ロシア)

ビジネス短信 830daa42b3d551d4