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電子商務法成立、プラットフォーム経営者の義務と責任を規定

(中国)

北京発

2018年09月25日

中華人民共和国電子商務法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が8月31日、全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会で可決され、成立した。2019年1月1日に施行される。

同法では、電子商務を「インターネットなどの情報ネットワークを通じて商品を販売、あるいはサービスを提供する経営活動」と定義し、「金融類の商品およびサービス、ネットを利用したニュースや音楽・動画番組、出版および文化商品の提供など」は対象外と明記した(第2条)。また、適用対象として、「電子商務経営者」と「電子商務プラットフォーム経営者」を区別し、それぞれについて義務や責任、違反した場合の罰則などを規定した(表参照)。

表 電子商務法の適用主体とその定義

特に「電子商務プラットフォーム経営者」に対して、プラットフォーム内で商品販売やサービス提供を行う「プラットフォーム内経営者」の管理に関する義務や責任を第2章第2節で定めた。例えば、消費者の生命や健康に関わる商品・サービスについて、「電子商務プラットフォーム経営者」が「プラットフォーム内経営者」の資質や資格について審査を尽くさず、あるいは消費者に対する安全確保の義務を怠ったことで消費者に損害を与えた場合、前者は法律に従い相応の責任を負うこととした(第38条)。

そのほか、合理的な理由のない保証金返還拒否の禁止(第21条)、ユーザーの個人情報保護(第25条)、ネットワークの安全性確保(第30条)、プラットフォームのサービスや取引に関するルールの整備・公開、商品・サービスや取引に関する情報の3年保存(第31条)、信用評価制度の整備(第39条)、商品・サービスの知的財産権の保護(第41条)、市場支配的地位の乱用禁止(第40条)、検索結果の表示における公平性や消費者の選択権の確保(第42条)などの規定が盛り込まれた(添付資料参照)。一方、「政府の関連する主管部門から、法律・法規の規定に基づいて関連する電子商務データの情報を提供するよう要請があった場合には、同情報を提供すること」(第25条)という義務も明記された。

また、越境電子商取引(EC)については、「電子商務経営者」が越境ECを行う際は、輸出入監督管理などの関連法律・法規を順守する義務を負う旨の規定が法案審議の過程で追加されたほか(第26条)、越境電子商務プラットフォーム経営者が倉庫保管・物流や通関、検疫などのサービスを提供するのを政府が支援すること(第71条)、「越境電子商務経営者」は電子証明書で輸出入手続きを行えること(第72条)などが定められた。

8月31日に全人代常務委員会が行った記者会見で、同委員会の尹中卿副主任は電子商務法制定の趣旨を「電子商務に関係する主体で最も立場が弱いのは消費者であり、次に弱いのが『電子商務経営者』、最も強いのが『電子商務プラットフォーム経営者』である」とした上で、「三者の法的権益のバランスを取るため、同法では『電子商務経営者』、特に第三者プラットフォームの責任と義務を重くして消費者保護を強化した」と説明している。同法の成立により、電子商取引における消費者保護の強化とEC市場の健全な発展が促進されることが期待される。

(小宮昇平)

(中国)

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