中国人の海外旅行者、上半期は前年同期比15%増

(中国)

上海発

2018年09月19日

文化旅行部傘下の中国旅遊研究院とオンライン旅行最大手の携程(シートリップ)は9月11日、中国人観光客の「2018年上半期海外旅行報告」を公表した。それによると、上半期(1~6月)の中国人旅行客は前年同期比15.0%増の7,131万人に達した。

出発都市別では、上海市、北京市、広州市、成都市と上位4都市の順位は前年と変化がなかったが、所得水準の向上に伴い、内陸西部の重慶市が10位から5位に上昇した。一方、滞在先での1人当たり消費額は長春市が6,946元(約11万1,136円、1元=約16円)と最も多く、上海市は6位だった(表参照)。

表 中国人海外旅行者の都市別1人当たりの消費額

中国人の海外旅行は個人と団体がおよそ半々となっているが、中小都市では依然団体旅行を選ぶ人が多かった。観光客の年齢層をみると、1980~1989年に生まれた「80後」は全体の31%を占め最も多く、2番目に多い1990~1999年生まれの「90後」の18%と合わせると約半分を占めた。海外旅行の目的も買い物などから体験型消費へと移り、食・住・余暇などそれぞれの個性を求める方向に変化しているという。

人気旅行先のトップ8は全てアジア

海外の旅行先で最も人気が高いのはタイで、続いて日本、ベトナム、韓国、シンガポール、インドネシア、マレーシアの順となった。アジア諸国・地域が上位8位まで占めているが、ビザ取得手続きの簡素化などでこれら以外の地域への中国人旅行者が急速に増え、ロシアが9位、トルコが15位に食い込んだ。とりわけ、バルカン半島のセルビアは、ビザ免除措置を実施する初の中・東欧諸国として、上半期に受け入れた中国人観光客は前年同期の4.5倍に急増した。

(劉元森)

(中国)

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