メガプロジェクト向け政府系ファンド「エジプト基金」を設立

(エジプト)

カイロ発

2018年09月07日

エルシーシ大統領は8月19日の閣議で、ソブリン(政府系)ファンド「エジプト基金」設立を承認した。同基金は、公的資本金が2,000億エジプト・ポンド(約100億ドル、LE、1LE=約0.05ドル)で、資本金50億LE以上の案件を対象としたメガプロジェクト向けに設立された。国内外からの投資を誘致・活性化させ、第1期エルシーシ政権時から掲げた経済改革を推進することが狙いとみられる。

エジプトは、厳しい財政状況と外貨不足を解消するために、2016年8月にIMFと120億ドルの融資に合意した。それ以降、外貨準備高は増加傾向をたどり、2016年10月末の191億ドルから、現在では約450億ドルの水準にある。

また経済成長率は、2016/2017年(2016年7月~2017年6月)の4.2%から、2017/2018年(2017年7月~2018年6月)上半期には5.2%に加速した。経常収支の赤字は、観光業の回復と海外からの送金の好調な伸びを反映して大幅に減少し、投資家の信頼も回復している。

エジプト投資庁によると、メガプロジェクトは非常に多岐にわたっており、都市開発全般、発電、港湾開発、リゾート開発、繊維や家具など産業分野に特化した工業団地、鉄道、住居関係、スポーツなどの娯楽施設、水産加工施設など約50のカテゴリーに分けられるという。

(常味高志)

(エジプト)

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