台風22号でルソン島北部中心に死者81人、農業被害は約302億円

(フィリピン)

マニラ発

2018年09月21日

フィリピンのルソン島北部を直撃した台風22号(マンクット)は、9月19日現在、死者81人、行方不明者70人の被害を及ぼした。コルディリェラ行政地域で66人、カガヤン・バレー地方で10人のほか、中部ルソン地方・マニラ首都圏で各2人、イロコス地方でも1人の死者が出た。日系企業または邦人の被害は確認されていない。

現地報道によると、農業への被害総額は約144億ペソ(約302億円、1ペソ=約2.1円)、被害を受けた農地面積および農家は約55万ヘクタール、約21万人に上るとされる。

今回の被害による農作物の価格上昇が懸念されているが、中央銀行副総裁のディワ・グニグンド氏は「台風の被害は特定地域に限定されており、国全体の供給・物流・生産体制に大きな影響はない」と述べ、国家経済開発庁(NEDA)のアーネスト・ペルニア長官も「台風被害によるインフレは一時的なもの」と述べた。

なおフィリピン気象庁(PAGASA)は、台風22号級の大型台風が2018年末までにあと4~5個発生する可能性があると発表している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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