シカゴで工作機械展示会(IMTS)が開催、日本のメーカーが存在感

(米国)

シカゴ発

2018年09月28日

9月10~15日までの6日間、シカゴ市にある展示会場マコーミック・プレースで、2年に1度の世界三大工作機械展示会の1つ「IMTS(International Manufacturing Technology Show)2018」が開催された。今回は、事前登録者数、出展企業数、ブース面積、ブース数がいずれも歴代最高を記録し、主催者の米国製造技術者協会(AMT)のピーター・エルマン展示会・ビジネス開発担当副会長が「前回の開催以降、出展者の製造技術が加速度的に成長しており、来場者も投資する準備ができている」と述べるように、工作機械分野にも好調な米国経済の波が押し寄せているようだ。

写真 多くの来場者でにぎわう会場(ジェトロ撮影)

ジェトロでは2012年以来6年ぶりにジャパンパビリオンを設置し、高度な金属加工技術を持つ中小企業10社が出展し、精力的に独自の技術を売り込んだ。出展企業からは「米国市場でも自らの技術が通用することを再確認できた」「具体的な成約につながる商談があった」などの意見が寄せられた。

延べ約13万人の来場者でにぎわった会場で来場者の目を引いたのは、日本の工作機械メーカーの存在感だ。各会場の最前線にブースを構え、メイン会場ではヤマザキマザック、オークマ、牧野フライス製作所、DMG森精機などが最新の工作機械を展示し、多くの来場者を呼び込んでいた。

最新技術の一例として、音声認識により運転可能な工作機械や、現場の状況を把握して自律的に行動するロボットなどが紹介されていた。2年前の同展示会では、製造設備の稼働状況を見える化する(データ収集)出展が主だったが、今回は製造現場に即したかたちで生産性向上を実現するための技術(データ分析・制御)の紹介が多かった。

AMTが力を入れる取り組みの1つとして、学生や教員向けの展示会場やイベントが開催された。関係者によると、IT関連企業への就職希望が多い理系学生の関心を少しでも製造業へ向けるためだという。雇用がタイトな米国労働市場において、人材育成や確保に力を入れていた。

(仁平宏樹)

(米国)

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