ハーレー、シリコンバレーでR&D拠点を開設へ

(米国)

サンフランシスコ発

2018年09月21日

二輪大手のハーレーダビッドソン(本社:ウィスコンシン州ミルウォーキー)は9月5日、シリコンバレーで研究開発(R&D)拠点を2018年内に開設すると発表した。同社はかねて、ウィスコンシン州ウォーワトサ市のR&Dセンターで研究開発を行ってきた。今回新設する拠点では、同センターのサテライト拠点という位置付けで、電動二輪車の技術研究を行う。

電動オートバイ開発に本腰

同社は2018年7月に発表した中期経営戦略の中で、2019年に同社初の電動二輪車「ライブワイヤー(LiveWire)」を市場投入し、2022年までに車両モデル拡充を進める計画を明かした。新設拠点ではバッテリーや電力変換、電気機械設計など電動二輪車に関する技術開発に取り組む。将来的にはシリコンバレーの豊富な人材を活用し、幅広い分野の先端技術や、さまざまな価格帯や燃料源、乗車スタイルに合わせた競争力のある車両ラインアップのための研究開発も視野に入れる。

同社のマット・レバティッチ最高経営責任者(CEO)はプレスリリースで、R&D拠点を新設することによって「(経営戦略)計画を実現し、わが社の責務である二輪車の電動化を促進する」と述べている。新設拠点の名称や詳しい立地などは明らかにされていないが、同社は既に電気自動車(EV)の設計や製造に関わった経験のある技術者の募集を開始。稼働までに25人を集める予定で、「未来を創造するため、エキサイティングな時代を迎えているわが社に応募を」と、レバティッチCEOは呼び掛けている。

シリコンバレーとその周辺地域では、アルタ・モータース、ライトニング・モーターサイクル、ゼロ・モーターサイクルズといった電動二輪車メーカーが本社を置く。また、同地域には自動車メーカー拠点の集積も進んでおり、テスラが本社を構えるほか、フォード・モーター、ゼネラルモーターズ(GM)、トヨタ、日産、ホンダ、メルセデス・ベンツ、BMWなど、ほとんどの企業が電気自動車をはじめ、コネクテッドカー、自動運転、人工知能(AI)、ビッグデータなどを進めるためのR&D拠点や、オープン・イノベーション拠点を構えている。

(高橋由奈)

(米国)

ビジネス短信 4e98c42a63ae9f30