南北結ぶ幹線道路が完成、イランとの物流が効率化

(アゼルバイジャン)

欧州ロシアCIS課

2018年09月25日

アゼルバイジャンのイリハム・アリエフ大統領は9月18日、首都バクー南方の都市アリャトとイラン国境の都市アスタラを結ぶ幹線道路の完成式典に出席、同幹線道路の供用が204キロ全線で開始された(添付資料参照)。幹線道路はイランとアゼルバイジャンおよび周辺国を結ぶ主要道路として機能する。

今回開通した幹線道路は、アゼルバイジャン南東部のサリヤンからイラン国境の都市アスタラまでの150キロの区間(注)。幹線道路の始点であるアリャトから終点のアスタラまでの距離は一般道経由だと243キロだが、幹線道路の開通で距離が約40キロ短縮される。また、サリヤンからアスタラ間の一般道は、片側1車線で多くの市街地を抜けるため時間がかかり、事故や住環境への悪影響などが発生していた。今回、全線で片側2車線道路となり、移動・輸送時間が大幅に短縮される。幹線道路の建設は、アゼルバイジャン・トルコ合弁企業が担当した。

写真 片側1車線の一般道(ランカラン市付近)(ジェトロ撮影)
写真 開通した幹線道路(アスタラ)(ジェトロ撮影)

アゼルバイジャンでは、首都バクーとロシア国境を結ぶ北方への幹線道路、同じくジョージア国境につながる西方への幹線道路の大部分は、いずれも片側2車線の幹線道路が整備されている。今回開通したバクーとイラン国境を結ぶ幹線道路はロシアとイランを結ぶ「南北」輸送路構想の一部を成しており、今回の幹線道路の完成によって、アゼルバイジャンと周辺国との貿易円滑化に加え、自動車トランジット輸送分野でアゼルバイジャンの機能が高まることが予想される。

(注)アリャトからサリヤンまでの54キロの区間は、2006年から2016年にかけて建設され、供用が既に開始されている。

(高橋淳)

(アゼルバイジャン)

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