輸入廃棄物の管理強化、税関総局が具体策を指示

(ベトナム)

ホーチミン発

2018年09月27日

ベトナム税関総局は7月17日、輸入廃棄物の管理強化に関する3つの指示文書(8154/TCHQ-GSQL、2443/TCHQ-GSQL、3738/TCHQ-GSQL)について具体策を指示した文書(4202/TCHQ-PC)を発出した(2018年8月1日記事参照)。一定要件を満たさない廃棄物の輸入および通過は禁止され、要件を満たす廃棄物については、一定の確認および検査を伴う通関手続きが行われる。

通関手続きを行うには、以下の3要件を満たすことが必要(4202/TCHQ-PC)。

  1. 首相決定73/2014/QD-TTg(輸入可能廃棄物リスト)に記載がある廃棄物
  2. 環境に関する国家技術規則が存在する品目の廃棄物であること〔天然資源環境省通達(43/2010/TT-BTNMT)、輸入鉄スクラップのための国家技術規則(QCVN31:2010/BTNMT)、輸入プラスチックスクラップのための国家技術規則(QCVN32:2010/BTNMT)、輸入紙くずのための国家技術規則(QCVN33:2010/BTNMT)〕
  3. 環境適合証明書(ライセンス)を取得した者が、輸入割当の範囲内で輸入すること

事前に積み降ろしの可否を税関が判断するため、輸入業者に対しては電子システムにおいて詳細な企業情報および貨物情報が要求される。その際、貨物情報には、総括名称の「スクラップ」ではなく、「プラスチックスクラップ」や「ペーパースクラップ」との記載が必要とされる。審査の結果、積み降ろしが認められない場合もある。

輸入申告時には、環境適合証明書のない廃棄物申告登録は認められない。また、中古品の申告のうち、廃棄物と疑われる場合も厳格な審査および検査が行われる。このほか、環境適合証明書を取得した企業の情報が、天然資源環境省から税関に提供されるまでにタイムラグが生じることにも注意が必要だ。

9月9日付税関オンラインニュースによると、輸入廃棄物の管理を強化した6月27日から9月4日までの間、検査サンプル2,761件のうち40件が廃棄物の基準を満たさず差し止められた。また、書類の改ざんなど不正を行った輸入企業に対しても、厳しい対応が取られている。

(小林亜紀、ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

ビジネス短信 2e94cca2c5cef054