欧州委、2017年の偽造・変造品貿易の実態を発表

(EU)

ブリュッセル発

2018年09月28日

欧州委員会は9月27日、EU加盟国の税関当局が2017年に輸入差し止めを行った偽造・変造品が3,100万点(末端価格で5億8,000万ユーロ超)に達したと発表した。

中国が「偽造・変造品」の主要な原産地と指摘

欧州委のピエール・モスコビシ委員(経済金融問題・税制・関税同盟担当)は「EUの関税同盟は、時として危険性を伴う偽造・変造品から市民を守る最前線にある。また、偽造・変造品輸入を阻止できれば、雇用創出や経済活性化にもつながる」と指摘する。

今回の欧州委の発表によると、EUへの輸入が確認された偽造・変造品の主たる原産国は中国で、全体の7割強を占めたという。特に移動体通信端末やアクセサリー、プリンター用インクカートリッジ、CD/DVD、ラベルやタグなどはほとんどが中国・香港を原産地とするものだったとしている。ただし、偽造・変造衣料品についてはトルコ、偽造・変造医薬品(潜在的に有害なものを含む)はインドが最大の原産国だったと発表している。

他方、品目別ではヘルスケア商品などの日用品で有害な偽造・変造品の輸入が多く、輸入差し止め対象品の全体の43%を占めたという。具体的には、全体の24%を占める食品が最大で、これに玩具(11%)、たばこ(9%)、衣料品(7%)が続く。

なお、EUへの輸入差し止めとなった商品の約90%は、破棄処分あるいは刑事告訴手続きの対象となっているという。

(前田篤穂)

(EU)

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