重慶のスマート産業、外国企業トップと議論
(中国)
成都発
2018年09月27日
重慶市で9月16日、重慶市市長国際経済顧問団会議が開催された。重慶市の経済運営に関する諮問会議である本会議は、グローバル企業の経営者を顧問とし、2006年から毎年開催されている。今回が13回目で、テーマは「重慶のスマート産業化、方策と取り組み」。
ENGIE、AT&S、BASF、ABB、シュナイダーエレクトリック、シーメンス、マイクロソフト、クアルコムなどの経営トップら12の国・地域から30人が参加した。日本からは、本会議の主席を務める三井住友フィナンシャルグループおよび三井住友銀行の宮田孝一会長、野村ホールディングスの古賀信行会長、三井物産の飯島彰己会長、ファナックの稲葉善治会長兼最高経営責任者(CEO)、いすゞの細井行会長に加え、新たに本会議のメンバーに加わった川崎重工の橋本康彦常務執行役員ら9人が参加した。
会議の司会を務めたジェラール・メストラレENGIE会長兼CEOは、「重慶経済は量から質の成長にシフトしている。ビッグデータ、人工知能、クラウドなどの活用により、従来の伝統的な製造業をアップグレードさせるとともに、新エネルギー車、ハイテク設備、新材料、バイオなどの新たな産業形成が重要だ」と述べた。
海外と連携しスマート化を推進
唐良智重慶市長は「デジタル産業化を推進し、中国のスマート産業のモデル都市を目指す」と述べた。また、行政や教育、医療、都市管理の面でもスマート化を推進するほか、重慶市で開催される中国国際スマート産業博覧会(2018年8月に第1回を開催、今後毎年開催の予定)などのプラットフォームを活用し、国際間の交流や協力を推進していく考えを示した。
本会議の開催に合わせて、シュナイダーエレクトリックは重慶市政府と、「シュナイダー・スマート製造重慶イノベーションセンター」の建設を行うことで合意。スマート製造の研究やイノベーションの創出、人材の呼び込み、工業用ビッグデータの応用、製造業のスマート化による高度化を進める。またマイクロソフトは、重慶市渝北区にある仙桃国際ビッグデータバレーにおいて人工知能関連事業に対するアクセラレーター事業を行うことで重慶市と合意した。マイクロソフトが認知や機械学習の技術提供、専門家による技術指導を行う一方、渝北区政府は各種の基金を導入しアクセラレーター利用企業との協業を図るなど、本プロジェクトの円滑な運営をサポートする。
(田中一誠)
(中国)
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