西部の中間選挙情勢、追い込みをかける民主党候補

(米国)

米州課

2018年09月12日

11月の米国中間選挙に向けて、西部各州の候補者が決定した(表参照)。その動向を紹介する。

今回、カリフォルニア州では前回2016年選挙で共和党が勝利した選挙区の行方が注目される。接戦予想となっている下院の5つの区(10区、25区、39区、45区、48区)、さらに2つの区(21区、49区)を加えた7つの選挙区では、クリントン氏が2016年の大統領選で勝利しており、中間選挙で民主党が獲得を狙う。39区および49区では、現職が立候補しない。カリフォルニア州では、党に関係なく予備選挙の上位2人が中間選挙で戦うシステムになっている。39区および48区は民主党の候補者数が多過ぎて票が分かれ、民主党候補が勝ち残れないことが危惧されたが、民主、共和両党の候補者が決定した。

ワシントン州の下院3区および5区でも、民主党候補の追い上げが注目される。ワシントン州もカリフォルニア州と同じシステムで、予備選の上位2人が中間選挙で争う。予備選では両区とも1位が共和党現職、2位が民主党議員となったが、2位が1位に迫る勢いをみせた。予想は、両区とも共和党優勢。

コロラド州で接戦が予想されるのは、下院6区だ。現職のマイク・コフマン下院議員(共和党)はトランプ政権の移民政策と距離を置いているが、現政権の政策への反発から民主党に票が流れるとの見方も伝えられる(「ニューヨーク・タイムズ」紙7月2日)。

ニューメキシコ州では、現職のスティーブ・ピアース氏(共和党)が知事選に立候補した下院2区で、下院全3区のうち唯一の共和党議席の獲得を狙う。予想は、共和党優勢。

アリゾナ州の上院選では、現職のジェフ・フレーク上院議員(共和党)が引退し、トランプ大統領が支持するマーサ・マクサリー下院議員が予備選に勝利した。民主党候補は、カイルステン・シネマ下院議員。予想では、接戦。

同州の知事選に関しては、2018年9月10日記事参照

ネバダ州の知事選は、上院選ともに接戦が予想されている。知事選の共和党候補は州司法長官のアダム・ラクソルト氏、民主党候補はスティーブ・シソラック氏(現クラーク郡委員会議長)。上院選の共和党候補は現職のディーン・ヘラー上院議員、民主党候補はジャッキー・ローゼン下院議員。

表 各州下院候補者リスト

(注)選挙予想は、選挙分析サイト「クックポリティカルレポート(CPR)」の8月24日上院選、8月30日知事選、9月6日下院選の各予想による。

(松岡智恵子)

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