コートジボワール・中国経済フォーラムが開催

(コートジボワール、中国)

アビジャン発

2018年09月12日

第7回中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC、9月3~4日)出席のため中国・北京を公式訪問したコートジボワールのワタラ大統領は、アフリカ53カ国首脳の中で先陣を切った習近平国家主席との首脳会談に続いて、8月31日、農産品加工をテーマとした「コートジボワール・中国経済フォーラム」に出席した。

コートジボワールへの投資誘致を目的に、両国の商工会議所や経営者団体などが共催した同フォーラムには、400人を超える中国の政府や企業、金融機関の関係者が参加し、盛況が伝えられた。

中国からの民間投資呼び込みへ大統領がアピール

ワタラ大統領は中国企業に対し、同席した政府閣僚とともにコートジボワールの投資環境をアピールし、特に高いポテンシャルを有する農業、鉱業、一次産品加工、金融分野を中心に投資を呼び掛けた。コートジボワールでは2012年以降、世界平均を上回る高水準の経済成長が続いており、安定したマクロ経済環境、手厚い優遇措置、利益送金や為替の原則自由を保証する西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)地域の制度などを、投資に有利な点として強調した。

同フォーラムは、投資家への単なる情報提供にとどまらず、コートジボワール政府関係者とのセッションや、企業マッチングなど投資機会拡大の場となった。主要なプロジェクトとして、農業、鉱工業、繊維、エネルギーのほか、官民連携事業など多岐にわたる案件を投資家に提示し、民間投資の呼び込みに向けた政府の強い意欲をアピールした。

ワタラ大統領は基調演説で、「2012年に開催されたFOCACにおいて両国間で約束した協力案件のうち、アビジャン~グランバッサム間自動車道路、飲料水の供給、スブレ・ダム開発など多数のプロジェクトが実行に移されたほか、コートジボワール政府の呼び掛けに応じて、大規模な中国企業ミッションがアビジャンを訪れた」と、その成果を称賛した。同時に、「コートジボワールへ進出する中国企業は、国有・国策企業が主体の公共事業が多く、今後、現地で加工し付加価値を付す民間セクターの投資促進に期待する」と述べた。

FOCACには、コートジボワールから外務、経済財政、鉱山・石油・エネルギー、商工業、運輸などの多くの主要閣僚や経済界トップが参加するなど、中国重視の姿勢が示された。

ワタラ大統領は中国訪問中に、李克強首相、グテーレス国連事務総長、マハマト・アフリカ連合委員会委員長、ガネム世界銀行アフリカ地域総局副総裁らと精力的に会談を重ねた。

当地メディアは、「アフリカで存在感高める中国」としてイベントを紹介。連日、ワタラ大統領の中国訪問と合わせて、フォーラムの経過などを大々的に報じた。大方の論調は、開発途上国の経済開発モデルである中国との協力関係の強化を歓迎する向きが多く、好意的に受け止められている。

(渡辺久美子)

(コートジボワール、中国)

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