マクリ大統領、石油とシェールガスの輸出拡大に期待

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年09月11日

マウリシオ・マクリ大統領は8月28日、アルゼンチン西部のバカムエルタ鉱区のシェールオイル・ガス田を訪問し、同鉱区の主要投資企業である地場大手のYPFや地場鉄鋼大手テチント(Techint)系列のテクペトロル(Tecpetrol)の採掘現場などを視察した。

同大統領は、最近発表されたチリへの天然ガスの輸出再開(2018年7月25日記事参照)に触れつつ、バカムエルタ鉱区を基軸に政権が取り組むエネルギー政策について「石油やガスで300億ドルの輸出を達成するまでは(開発は)止まらない」との強い意気込みを述べた。また、同鉱区の開発を通じた安定供給によって安価なエネルギーを国民に提供できると強調した。

エネルギー庁によれば、バカムエルタ鉱区における2017年の石油生産量は前年同期比の5%増、天然ガス生産量は8%増となっている。政府としては、現地の生産量を2倍に増やすことを目標にしており、天然ガスの場合、5年以内に2億6,000万立方メートルを目指し、そのうち1億立方メートルは輸出向けにしたいとしている。マクリ大統領は、バカムエルタ鉱区の開発によって50万人の雇用が実現するとしており、今回も政府、企業、労働組合との間で競争力強化に向けた合意がなされたと発表された。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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