フェイスブック、シンガポールにアジア初のデータセンター設立へ

(シンガポール)

シンガポール発

2018年09月14日

SNS最大手の米フェイスブックは9月6日、同社のアジア初となるデータセンターをシンガポールに設立すると発表した。約14億シンガポール・ドル(約1,134億円、Sドル、1Sドル=約81円)を投じ、情報通信メディア開発庁(IMDA)が管轄する西部ジュロン地区のデータセンター専門の工業団地「タンジョン・クリン(旧データセンター・パーク)」内に、11階建て、17万平方メートルの施設を建設する。第1フェーズは2022年に稼働予定で、今後、拡張の可能性もあるという。

フェイスブックは、米国をはじめアイルランド、スウェーデンなどでデータセンターを開設している。世界で15拠点目となるシンガポールのデータセンターは、他国と同様に再生可能エネルギーを活用し発電するほか、水と電力の消費量を最小限に抑えるシステムを装備する。

同社のデータセンターインフラ担当副社長トーマス・ファーロング氏は、シンガポールを立地先として選択した理由として、充実したインフラ、インターネットアクセスの良さ、高い教育水準を受けた労働者の存在、政府機関からの手厚いサポートなどを挙げた。約1,000人の従業員を配置し、地場スタートアップの拡大を支援するプログラムを立ち上げるという。

チャン・チュンシン貿易産業相は同センター設立発表について「重要なマイルストーンだ」と述べ、シンガポールが世界各国とつながり、世界のデータセンターにおけるバリューチェーンの一翼を担うとした。また、データの保護、セキュリティー、分析の強化が求められる中、データセンターは重要な役割を持つとの認識を示した。

シンガポールは東南アジアで最もデータセンターが集積している。その中で米グーグルが8月初旬、8億5,000万米ドルを投じて、シンガポールで3つ目のデータセンターを設立することを発表した。インターネット市場が今後も拡大し、とりわけモバイル、電子商取引、クラウドコンピューティング分野で成長が見込めるとして施設を拡充する意向だ。

(藤江秀樹)

(シンガポール)

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